マンション管理応援歌No.113 廣田信子の紙上ブログ ヤミ民泊ゲストに助けを求められたら…
住宅新報 2017年10月17日 号 6面
住宅宿泊事業法の施行が迫っていますが、既にヤミ民泊は、規約に民泊禁止と定めているマンションの中にも確実に入り込んでいます。先日聞いた、実際に隣で民泊が始まっている方の話がすごかったです。
ある日、インターホンが鳴り、モニターには子供連れの女性が立っていて、片言の日本語で助けてほしい…と。何事だろうとドアを開けると、韓国から旅行に来ている隣の部屋の民泊ゲストらしいのです。
両手に食材がいっぱい入ったスーパーの袋を抱え、こんなに食材を買ってきたのに、部屋のガスが止められていて料理ができない。何とか助けてくれというのです。小さな子供を連れてくるのも作戦かもしれませんが、子供の顔を見ると放っておけずに結局、彼女は、卓上コンロとお鍋を貸してあげたのです。
民泊では、ガス調理器が使えない部屋も多いのですが、隣に言えば何とかなる…と思ったのでしょう。なにしろ、民泊ですから。
民泊者と隣人の意識
そのマンションでは掲示板に、日本語、英語、中国語、韓国語で「民泊禁止」と明示しているのに…です。いいことばかりが並べられている民泊サイトで部屋を申し込んできたゲストは、自分たちが歓迎されていない…という意識が薄く、旅先で困っている人がいたら、当然助けてくれるでしょう…と思っているんですね。
今後、「民泊で国際交流しよう」というようなキャンペーンが色々な形で打たれると、海外から来たゲストに罪はないからと、隣人が助けざるを得ない場面も増えてくるように思います。大地震が来たらどうするのでしょう。助けない訳にはいかなくなります。
それにお隣で民泊が始まったら、防犯上バルコニー側のサッシを開けておくこともできません。隣からバルコニーに侵入するのは簡単ですから。そうなったら、家にいる時も怖いですし、留守をしている間に金品を盗まれても分かりません。
気付かず、あれ~どうしたのかなと探しているうちに、お隣の旅行者は本国に帰ってしまい、泣き寝入り…なんていうことになりそうです。私たちがサッシを開けて安心して風を通せるのは、両隣の住人に対する信頼があるからです。改めて、マンションは、不特定の人が住戸を使うようにはできていないのです。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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