8月末に民泊対応の標準管理規約が発表になりました。来年6月の住宅宿泊事業法施行までに、各管理組合で民泊を「可能とする」か「禁止する」か、管理規約に定めることが望ましいとしています。1年前なら、ヤミ民泊に対する不安から、規約で民泊を禁止することに反対する組合員はほとんどいなかったのですが、この1年で、明らかに、一般組合員の中に民泊に興味を持つ人が増えていると感じます。
さすがに、既存マンションで民泊可とすることに4分の3の賛成を得ることは考えにくいですが、すぐに実施しなくても将来の資産活用の可能性を残すために、民泊全面禁止には賛成しない人が一定数出て、どちらの規約もつくれないマンションが出るでしょう。
多様なメリット
「民泊」の中でも、(1)マンションに居住する人が別住戸で民泊を実施する(2)自宅内の空室を貸す--という責任の所在が明確な「家主居住型」の民泊に限って認めるという選択肢もあります。
広い住戸に一人暮らしの高齢者が増えます。モノを整理し、使っていない部屋を民泊に提供する…それは、高齢者の日々の張り合いにも、住戸が広いが故に、税金、管理費などが割高で厳しかった年金家計に余裕を与えることにもなります。高齢者に収入の道があれば、管理組合にとっても、積極的な改修提案がしやすくなると言うメリットがあります。
自治体などが間に入り、空室に受験や就活のために上京する地方の学生を受け入れる、宿泊費が高い夏休みなどに家族旅行の宿を提供する。反対に、都会の子供たちを自然豊かな地方が民泊で受け入れる。そんな民泊なら居住者の理解も得やすいはずです。
また、リゾートマンションは、未収金の代わりに管理組合法人がやむを得ず保有する住戸が増えています。管理組合所有となった住戸の管理費・修繕積立金は入ってきませんから、会計を大きく圧迫しています。温泉施設や食堂スペースがあれば、民泊として企業研修や学生の合宿などに生かす道も考えられます。収益目標を、空室の管理費・修繕積立金分とすれば、ハードルは高くありません。
マンションの実情によっては、何でも禁止ではなく、「家主居住型の民泊」の可能性の検討も今後は必要になってくると思っています。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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