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スタンダード会員限定首都圏新築マンションは回復軌道!?(下) 〝需要者離れ〟防ぐために 「価格目安」早めに提供へ

住宅新報 2017年9月12日 号 1面

マンション・開発・経営
建設現場での提供情報も以前よりきめ細かくなってきた(都内で)

建設現場での提供情報も以前よりきめ細かくなってきた(都内で)

 新築マンション市況が冷え込んだのは平均価格が5000万円を超えた辺りからで、「高い」と需要者離れが表れたのが15年から16年。ちょうど人口減少社会への突入、東京五輪・パラリンピックを控えた投資熱が活発化した頃で、投資バブルに対する警戒感も浮上してきた。勤労者世帯の実質所得が伸びない中では、価格の高進はいずれ行き詰まり、調整局面を迎えることは必至である。そして今、それを打開すべき時期が到来したのだ。

 この1、2年、市況低迷を受け、計画があるにもかかわらず、新規発売を先送りしたり、販売開始が遅れる事例が目立った。事前に資料請求などの見込み客を一定数確保していても、反応が思ったほどでなかったためか、販売時期や価格の公表まで進まない。競合物件に手の内を見せたくないという心理も働いていたが、これでは需要者側の検討が進まないというジレンマに陥るだけだった。

 そうした状況に少しずつ変化の兆しが見え始めてきた。予定価格を早めに公開して集客を図ろうという動きだ。需要者に十分手の届く物件であることを知らせ、需要者離れを防ぎたいという危機感が背景にあるが、需要者にとっても判断材料の第一だけに歓迎できる動きである。

「購入できる」前面に

 例えば、郊外物件でも駅前再開発案件などでは販売単価が坪当たり300万円以上というケースが出てくる一方で、その周辺では200万円を切る物件も多い。「意外に高い」と諦める需要者を見越して、駅から徒歩10分以上やバス便などライバル筋の物件が「十分購入できる価格」「手ごろな価格」を明示して取り込むケースである。同じ駅圏、沿線でも出口が違ったり、急行停車駅でないなどの利便性によって価格には相当な開きがあることを逆手にとった動きだ。

 湾岸エリアでも、例えば、9月中旬から販売を始める野村不動産の「プラウドシティ越中島」(江東区、総戸数305戸)。JR京葉線で東京駅から二つ目の越中島駅徒歩6分と都心に近いが、一次取得層にも「手の届く」物件であることを知ってもらうため、モデルルーム開設当初から全戸の価格表を需要者向けに用意。平均坪単価が300万円、予定販売価格が4900万円台から1億900万円台であると公表した。 

 城北地区で10月下旬から第1期販売を開始する三菱地所レジデンスなどの「ザ・パークハウスオイコス赤羽志茂」(北区、総戸数502戸)も事前販売段階から予定価格が4400万円台~7500万円台(最多4900万円台)であることを明示。その上で「早く帰りたくなるマンション」という商品コンセプトを訴求する形を採用している。

 このように、これまで「未定」だらけだった販売価格の告知はようやく需要者に分かりやすく、具体的に検討しやすい形に転換しつつある。需要者を引き留めることでは前進だが、これで価格の問題が解消されるわけではない。市況回復のためには懇切丁寧な情報提供と共に、多くの需要者に「手の届く」水準に持っていくもう一段の取り組みが求められている。

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