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スタンダード会員限定〝所沢〟に特化、選ばれる仲介 セイワハウジング(イエステーション所沢中央店) FC加盟でエリア戦略強化 個性的チラシ武器に「売却」促進 空き家利活用、市と提携も

住宅新報 2017年9月5日 号 11面

売買・賃貸仲介
  • 羽迫社長(右)と大竹店長

    1 / 3羽迫社長(右)と大竹店長

  • 不動産売却のチラシ例。査定方法や中古物件の取引実績をはじめ、地域のグルメ情報なども掲載

    2 / 3不動産売却のチラシ例。査定方法や中古物件の取引実績をはじめ、地域のグルメ情報なども掲載

  • チラシ

    3 / 3チラシ

人口回復の一方で

 埼玉県所沢市のセイワハウジング(イエステーション所沢中央店)は、「所沢専門」を掲げる仲介会社だ。不動産フランチャイズ(FC)のイエステーションに創立時から参画。空き地・空き家をターゲットにしたランチェスター戦略を武器に、「売り」の媒介取得につなげている。6月から市と提携し、空き家利活用のワンストップ相談窓口も担う。

 「所沢市内専門の不動産売買・賃貸管理会社として今年で25周年。16年7月に西武新宿線航空公園駅前に店舗を集約した」。同社の羽迫務社長は地域密着の四半世紀を振り返る。都心のベッドタウン、住宅都市として歩んできた所沢。現在市内の世帯数は15万世帯を超え、60%が持ち家だ。所沢駅周辺の再開発が進んでおり、車両基地から大型マンション、商業施設へ変ぼうを遂げようとしている。3年前まで減少傾向だった人口が再び上向きつつある。

 一方、70年代に建てられた大型分譲地では高齢化が進み、市内の空き家は約1万5000戸を数える。つまり10戸に1戸が空き家という計算だ。「地域を訪問すると、70~80代の単身者や夫婦世帯が目立つ。10年後には更に周辺も空き家となる可能性がある」(羽迫社長)。

 そんな所沢には大手仲介の競合がそろうが、同社は独自の空き地・空き家対策を実行する。地域をとことん絞り込んで営業活動を行う「ランチェスター戦略」だ。市内を小手指、中富、航空公園・新所沢エリアなど細分化し、専任担当者を配置。自社の的とする地域内を定期巡回して空き家・空き地を調査し、現状を地図上に落とし込んでいく。

 特に、チラシなどのDMは同社が「地域密着」をアピールする飛び道具だ。A4サイズのチラシもエリアごとに制作し、週の前半と後半に分けてポスティング。中古物件の取引状況や査定方法などの紹介に加え、地域の店舗や生活に役立つうん蓄を盛り込むことも。地域を「教えるチラシ」として、消費者に飽きられない情報やデザインを日々研究しているという。売却物件の取引相手は中高年となることが多く、シニア向け雑誌への広告出稿なども行っている。

 更に、同社では地主に対しての継続的なアプローチを行い、土地の有効活用を提案する。相続の相談に乗ることもあれば、賃貸経営を考える場合にはリフォーム工事を設定する。同社では建物の管理も担っており、周辺相場を踏まえて賃料設定の提案なども可能だ。「管理を依頼する人は空き家対策をイメージできているが、大半は活用方法が分からない人。不要になった空き家を換金したい人は多く、当社でも売却の扱いが最も多い」と羽迫社長。

相続、管理等の相談も

 トータルな提案力と地域密着力を強みに、行政との連携も開始した。もともと所沢市は10年7月、全国で初めて空き家条例を制定(同年10月施行)したが、空き家・空き地に関する窓口などに課題があったという。そこで17年6月、市は空き家の利活用に実績がある業者、NPOなど3事業者と提携(公募は4月)。同社も「所沢市空き家利活用等ワンストップ相談事業」の相談窓口として、売却、賃貸、解体、相続、維持管理など、相談者の様々な相談に対応していくことになった。提携期間は3年間で、同社は市に対して月1回状況報告をする。

 相談者は、空き家の所有者または相続予定者。所沢市民、あるいは空き家の所在地が同市内にある人が対象となる。空き家に関する相談は原則無料だが、耐震診断調査や弁護士などへの専門的な相談は有料。6月以降、賃貸、管理に関する空き家相談が市の広報紙やホームページをきっかけに増え始めているという。

 ただし、課題も多い。「相続人の3割は市外(遠隔地)で暮らす人。空き家となった近隣住民が防犯上の不安などから通報し、空き家が発覚する場合がある」(羽迫社長)というように、自ら相続を考えて動いている人は少ない。ワンストップ相談窓口の周知徹底も必要となる。今後の可能性として、「相続人が空き家を必要としない場合」「高齢所有者の介護施設への住み替え」などによる空き家の増加が想定されるが、同社では物件の売却や相続アドバイスなど事前に対応策を提案していく。

全国ネットが強み

 なお、同社は02年のイエステーション設立時からの加盟店だ。FC参画を機に、地元の一仲介会社から「地域専門」会社に変化したという。営業方針も大きく転換し、それまでの「買いたい客」中心の営業から「売りたい客」へ顧客ターゲットをシフトした。物件の魅力やスペックが優先される「買いたい客」に対し、「売りたい客」は、自身の不動産を信用して任せられる会社かどうかが肝要。選ばれる仲介会社として地域密着を貫いてきたことで、安定収益につながったという。所沢中央店の大竹雅彦店長も、「地域専門として、信頼と知名度の獲得を続けることが最優先」と自信を見せる。

 また、大竹店長は今後の空き地・空き家の利活用について、「所有者がお金や相続など必要に迫られていないため、当事者意識が低い」と課題を挙げながらも、「所沢在住だが、他県(遠方)に土地を持っているケースもある。地域業者の同社単独では対応できないが、そんなとき、イエステーションが持つ全国131店舗のネットワークで対応できる体制をつくりたい」と意欲を語った。 (佐々木淳)

 

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