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プレミアム会員限定「日本不動産コンサル研」発足 その意義と課題 〝コンサルの時代〟が到来

住宅新報 2017年8月22日 号 5面

マンション・開発・経営
川延耕一氏

川延耕一氏

社会的認知が課題

 不動産業界の経済環境は大変厳しい状況下にあります。

土地取引を活発化させた、いわゆるバブル経済が崩壊してもう間もなく30年にもなろうとしています。その後の経済苦況の時代を支えてきたのはまさしく、住宅産業であったとの認識をしております。

 しかし近年、住宅の供給過剰、高齢者人口の増大、若者の減少、出生率の低下、企業の海外進出など土地への需要減退が著しく、強い不安を感じています。

 また、空き家問題も大きな社会問題です。住宅供給過剰の反動と社会構造の変化がもたらした問題ですが、解決する一定の方程式はあり得ないと思われます。不動産業界に鋭く突き付けられた大きな課題といえるでしょう。

 不動産コンサルティング制度が公布施行されたのが平成4年7月でした。既に25年以上になります。「土地神話」「土地本位制資本主義経済」といわれたバブル経済が崩壊し始めて間もない頃でした。

 ただ、不動産コンサルティング制度は、その後社会的認知を得られないまま現在に至っています。その原因を追求しつつ、今こそ多くの仲間が不動産コンサルティングビジネスで報酬を得ることができるようにできないかとの思いから、「日本不動産コンサルティング研究会」が今年1月19日に発足しました。

 不動産コンサルティングビジネスが普及しにくい理由は、簡単にいえば(1)複雑、(2)難しい、(3)報酬が得にくいの3点です。そこをどうクリアしていけばいいのか、会員の皆さんと一緒に研究していきたいとの思いでした。

 同研究会の会員は不動産コンサルティングマスター技能登録者に限らず宅地建物取引士はもとより、弁護士、司法書士、建築士、税理士、土地家屋調査士、行政書士、相続鑑定士などの皆さんです。不動産コンサルティングの企画提案書作成の重要なプロジェクターとして協力、支援していただけます。そして研究会の講師も依頼しております。

「取引士」誕生が背景

 実は、このような集団をつくることができないかという構想をかねてから抱いていたところ、平成26年度に宅地建物取引業法の改正がありました。最大の注目点は「宅地建物取引主任者」の名称が「宅地建物取引士」に改められたことです。まさに「さむらい」になりました。 

 そして、重要なことは、この名称変更に伴って宅建業法に新設された「宅地建物取引士の業務処理の原則」(第15条)には、「取引士は購入者等の利益の保護に努めなければならない」と明確に記されたことです。

 このことと、国土交通省のガイドライン(業法の解釈・運用の考え方)にある以下の内容を併せ読めば、不動産コンサルティングの時代が到来しつつあることは明らかであります。その内容は以下の通りです。

 【宅地建物取引業法第34条の2(媒介契約)関係】

 7 不動産取引に関連する他の業務との関係について

 宅地建物取引業者に対しては媒介業務のみならず、金融機関、司法書士、土壌汚染調査機関等の不動産取引に関連する他の多くの専門家と協働する中で、消費者の意向を踏まえながら、不動産取引について全体的な流れを分かりやすく説明し、適切な助言を行い、総合的に調整する役割が期待されている。また、宅地建物取引業者自らも積極的に媒介業務以外の不動産取引に関連する業務の提供に努める

ことが期待されている。

 なお、宅地建物取引業者自らが媒介業務以外の関連業務を行う場合には、媒介業務との区分を明確化するため、媒介契約とは別に業務内容、報酬等を明らかにした書面により契約を締結すること。

 特に、宅地建物取引業者が不動産コンサルティング業務を行う場合には、媒介業務との区分を明確化するため、あらかじめ契約内容を十分に説明して依頼者の理解を得た上で契約を締結し、成果物は書面で交付すること。

 【宅地建物取引業法第46条(報酬)第1項関係】

 6 不動産取引に関連する他の業務に係る報酬について 宅地建物取引業者が「第34

条の2関係7」に従って媒介業務以外の不動産取引に関連する業務を行う場合には、媒介業務に係る報酬とは別に該当業務に係る報酬を受けることができるが、この場合にもあらかじめ業務内容に応じた料金設定をするなど、報酬額の明確化を図ること。

 このように、宅建業法のガイドラインには既に、不動産コンサルティングが明確に位置付けられています。同研究会会員が不動産コンサルティング業務に取り組み、その責任を果たすことに大きな喜びを得られるようになることを願っています。

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