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プレミアム会員限定紙上ブログ 不動産屋の独り言 414 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 ある生活保護受給者の対応(5) 隣人疑い、火種の予感も

住宅新報 2017年8月15日 号 7面

連載: 不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜

資格・実務

 1カ月ほどは何事もなく過ぎていたが、再び例の年配女性から電話が入った。今度は昼間の営業時間内ではあった。用件は、「アパートの周りの草がだいぶ伸びてきているのですが、草取りは誰がするのでしょうか。私がしなければいけないんですか」とのこと。「専用の庭であれば、入居者さんがしなければなりませんが、アパートの周りの草ということであれば大家さんの責任でして頂くことになります」と言うと安心した様子。だが、話はそれで終わらなかった。やはり、音の話が出た。

「深夜の音」再び

 「夜中の音、2階のAさんではなかったけれど、隣の大家さんが出している音です。隣から聞こえてきますから、間違いありません」と言う。確かに、家主が住む家とそのアパートは壁一つでつながっているが、高齢で一人暮らしの家主が真夜中に洗濯機を回したり、うなり声を上げているとは考えにくい。後で家主に確認したら「夜中に洗濯機を回さないよ。そんな時間に起きてないから」とのこと。まあ、それはそうだと思う。

 女性自身が以前に起こした騒動に懲りているからか、息子から強く注意されているからか、言い方は少し丁寧だが、依然として「決めつける言い方」は変わっていない。私の回答いかんによっては、再びトラブルになりそうな予感がする。

 今回も否定されたら、フラストレーションがたまって何かの形で爆発するかもしれない。他の入居者もいるし、隣には家主もいるからそれも困る。

打開策見えず

 〝騒音問題〟については、本人の幻聴によるものなのか、実際にそういう音が聞こえるものなのか。私のほうも「ない」と決めつけないで調べる必要があるが、それも難しい。一番いいのは部屋に泊まって一晩中「音が出るのを待つ」ことだが、女性の部屋に泊まり込むわけにもいかない。近所に住む息子が泊まって確認してくれたら有り難いのだが、たぶん協力は得られないと思う。息子も「母親の何かの病気」を知っているふうだったから、そんなことをしても意味がないと分かっていることだろう。当然、市の担当者も知っているはずで、個人情報を盾に協力が得られないなら、今後も突き放すしか方法はないかもしれない。

  (坂口有吉不動産・社長)

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