紙上ブログ 不動産屋の独り言 413 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 ある生活保護受給者の対応(4) 抗議一転、おわびに困惑
住宅新報 2017年8月8日 号 8面
真夜中に騒音を訴えた年配女性のその後。連帯保証人の長男にどう電話したものか悩んでいたら、その長男から電話が入った。もしかして母親から「不動産屋が管理会社としての責任を果たさなくて困っている。私の話を全く信用してくれない」という話が伝わってクレームを申し立ててきたのかと身構えていたら、おわびの電話だった。
長男から電話
声の調子も穏やかで、あくまで低姿勢で「先日は母が真夜中に電話をしてしまったようで本当に申し訳ありませんでした。今後このようなことがないよう、キツく叱っておきました。今回はどうぞお許しください」と言う。正直、調子が狂ってしまった。
その後、その女性からも電話が入った。先日の「すぐに何とかしろ」「私に寝ないで我慢しろというのか」「家主さんを叩き起こしますよ」とまくし立てていた人とはとても思えないほど憔悴(しょうすい)した感じで、泣いて謝る。「先日は本当に申し訳ありませんでした。何と言っておわびしていいやら。これからすぐにそちら様に伺っておわびを申し上げたい。ご都合はいかがでしょうか」と途切れ途切れに言う。おおかた長男から「今電話を入れておいたから、すぐに電話しなさい」とでも言われたのだろう。とはいえ、2日前の深夜のあの言い方だ。にわかには「反省した」とは信じられない。私としては、もう顔も見たくないというのが本音である。それで「来ないでいいです」と断った。その一方で、市役所の生活福祉課に電話した。
認知症の可能性
電話に出た担当者は他の職員同様、「個人情報保護法があるので何も答えられません」でおしまい。だが、どうも何かを隠している雰囲気。何もなければ「何もない」と言うはずだからだ。真夜中に抗議してきた時とはまるで別の人格に変わっている女性の様子を電話を通じて知り、そして、物分かりよく私におわびの電話をしてきた長男の様子から、もしかして認知症ではないのかな、と疑いを持った。
もし私の見込み通りであるなら、市役所も家族も家主や管理会社に本当のことを伝えるべきではなかろうか。その上で協力を仰いだほうが本人のためにもいいと思う。
(坂口有吉不動産・社長)
























