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プレミアム会員限定不動産取引現場での意外な誤解 賃貸借編(91) 2項事業用借地権に「定期」の文言がないのは?

住宅新報 2017年4月25日 号 8面

連載: 不動産取引現場での意外な誤解

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 Q 前回の賃貸借編では定期の「借家」が中心でしたが、今回は定期の「借地」について伺います。まず最初に、定期の借地権については、平成19年の借地借家法の改正で、従来の「事業用借地権」が、存続期間30年以上50年未満の借地権(23条1項借地権)と存続期間10年以上30年未満の借地権(23条2項借地権)に分かれて規定されましたが、それらはいずれも定期借地権ということになるのでしょうか。

 A そうなります。

 Q それならなぜ、借地借家法23条の見出しが「事業用定期借地権等」となっているのでしょうか。

 A 1項の事業用借地権は、その規定を見ればわかるように、一般定期借地権(22条)と同じように「特約」によって契約更新を排除する定期の借地権です。しかし、2項の事業用借地権の場合は、普通借地権の存続期間が30年以上とされていることから(3条)、30年未満の事業用借地権については「特約なしに」「当然に」契約更新のない定期の借地権となるからなのです。つまり、1項借地権も2項借地権も同じ契約更新のない「定期」の借地権なのですが、このように両者の法的性質が異なるために両者を区別し、後者の2項借地権について「等」という表記をしたものだと思います。その意味で、前者の1項借地権を基本形とし、後者の2項借地権をその特例形として規定したものだと思います。

 Q そうなると、事業用の借地権の法的な位置付けも変わってくるのではないでしょうか。

 A その通りですね。定期の借地権が普通借地権の特例的位置にあるのは従来と変わらないのですが、「事業用」の借地権については、平成19年の改正によってもはや従来の定期借地権の例外ではなく、一般定期借地権と並ぶ第2の定期借地権としての位置付けがなされたものといえると思います。しかし、従来の事業用借地権が、その存続期間の差異によって1つは「事業用定期借地権」と呼称され、もう1つが単に「事業用借地権」と呼称されたとしても、いずれも「定期」の借地権であることには変わりはなく、表立った違いがあるとすれば、それは不動産登記法上、前者の1項定期借地権について「定期」の文言が登記されるくらいのものです(同法81条7号・8号)。

渡邊不動産取引法実務研究所

     代表 渡邊 秀男

 

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