マンション管理応援歌No.76 廣田信子の紙上ブログ 本当の意味での少子化対策を
住宅新報 2017年1月24日 号 6面
東京都の小池知事が「保育士のお給料を月2万円上げる」と発言したことが話題に。
保育士試験も昨年から年2回になったと思ったら、更に、国家戦略特区として3回目の保育士試験を実施したいと神奈川県が申し出ています。3回目は、県が独自に問題を作成し、筆記試験のみで受けやすくし、「地域限定保育士」として一定期間、就業場所が県内に限定されるというのですが…。国家試験まで、特区で緩和するって、何だかなりふり構わない状況になってきました。
今や「共働きで子育てしやすい」が、若いマンション購入者にとっても重要な要素になっています。浦安市は、12月に発表された「共働き子育てしやすい企業&街グランプリ2016」(日経DUAL、日本経済新聞)で、全国(東京を除く)グランプリを受賞しました。共働きに欠かせない施設と補助制度の充実度を評価し、ランキングにしたものです。浦安市は、学童保育の午後7時30分まで運営、無料の一時預かり、保育士の待遇改善などが高評価につながったといいます。世代が循環する街であり続けるために欠かせない施策です。
で、実はベスト10のほとんどが東京都の自治体で、1位は新宿区です。新宿区が一番子育てしやすい?と不思議な気がしましたが、子供がいても共働きしやすい街…ということなんでしょうね。でも、若い家族が簡単に新宿区に住居を持てるものではありません。しかも、子供を育てる環境や保育の質を問わなくなったことがちょっと極端で怖いです。
東京都が月2万円増額をしたら、近隣から東京都に流れる保育士もいるでしょう。共働き世帯は、大事な納税者ですから、通勤の便がいい自治体は、保育園充実や補助金を競うことになりそうです。今後、お金がある自治体とそうでない自治体で差が付いていき、シングルマザーの親子等が行政のサービスからこぼれていってしまいます。
奪い合いではダメ
保育士や共働き世帯を自治体間で奪い合っても、本当の意味での少子化対策にはなりません。郊外の高経年団地を抱えている自治体こそ、厳しい状況で子育てしているお母さんに安心して働きながら子育てできる住環境を提供することを、団地の高齢化や空室対策とセットで考えられないかと思うこのごろです。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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