紙上ブログ 悪徳不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 第116回 坂口有吉
住宅新報 2011年9月6日 号 5面
キャンセルから生まれたご縁(後編) 4度も部屋を借り換え
辛いキャンセルから生まれた素晴らしいご縁の二つめ。
当時、大学院を目指していた男性から単身者向けのアパートに申し込みが入ったのだが、直ぐにキャンセルになった。当社直のお客さんではないのだから客付業者にキャンセルの連絡をすれば済む話だし、この仕事にキャンセルなんてつきものだから私も気にしてなどいなかったが、うちの店にわざわざあいさつに来てくれて、「今回は1人暮らしをしないことになったので、こちら様にも申し訳ないことをしましたが、次に部屋を探す時には必ずこちらに伺いますね」と言う。
離婚の時も
それもまあ5割程度の確率だし、あまり期待してはいなかったが、1年ほどして本当にやってきた。しかも、それを手始めに当社で4度も部屋を借りてもらうことになり、最後は、動物病院を開業するに当たっての店舗を、自分で探したにも関わらず管理会社に、当社を通して申し込みをする、と主張してくださり、何もしていない当社に手数料が入ってきた。おそらくは、大学院時代、進路や結婚問題で悩んでいた際に私が相談に乗っていたから、と思われるが、それにしても義理堅い。結婚式にも呼んでいただいたし、その後…、離婚する時にも相談に乗らせていただいた。
動物病院
動物病院には縁が無い、と思っていたのだが、再婚する際、女房に「指輪とか要るか?」と聞くと、「そういうのは要らないけど、猫を飼いたい」とのこと。それで今度はうちもお世話になることになった。前編で書いた床屋さんの従業員さんも猫を飼っていて、同じ動物病院でお世話になっている。私も逆に何人かのお客さん(飼主さん)を紹介させてもらっていて、その中には当社の家主さんもいる。
数年前、うちのマンションの下に、事故に遭って後ろ足を2本とも引き摺っていた野良猫がいて、夜中に運び込んだ時には、亡くなるまでの3日間、病院に泊り込んで2時間おきに点滴を打ってくれたりした。野良であっても、私が連れて行ったので「私の飼猫」と同じく対応してくれたのだ。
その後、向こうも優しい女性と再婚して、親しく家族的にお付き合いさせていただいている。共に、旦那はバツイチで女房は初婚の夫婦同士、である。(坂口有吉不動産・社長)























