更なる資格取得を インスペ、賃貸管理の道も
住宅新報 2016年10月18日 号 9面
法律系資格試験としては最大、20万人近くの人が受験する宅地建物取引士資格試験。名称変更後初の試験が行われた昨年の合格基準点は31点となり、合格率は15.4%。ここ5年で最も低い基準点だったにも関わらず、合格率は2%下がった。難易度が増したということだ。今後もこの傾向は続くだろう。宅地建物取引士に求められる資格像が、国が進める政策である中古住宅流通市場活性化の中で、中心とも言える存在になっているからだ。
ところで、宅建試験では民法を中心とする「権利関係」からの出題が全体の3割近くを占める。日本の私法の大本となる法律であり、その知識を会得しておけば、社会人となってからも役に立つ。
また、宅建試験では、法律の中で毎年改正されるものがあり、現在進行形の社会問題に対応している。こうした生きた法律のエッセンスを学習できる宅建試験は、他の法律資格へのステップアップ資格となっている。
得た法律エッセンスを 次の資格に生かそう
例えば、マンション管理士や管理業務主任者といった資格はどうだろう。高度経済成長時代に建設されたマンションの建て替えには、「マンション管理士」の関与が必要となってくる。ただし、合格率が10%以下の難関試験なので、長期的に取り組む覚悟も必要だ。
管理業務主任者は合格率が20%くらいなので、ある程度取り組みやすい。宅地建物取引士同様、一定数の必置義務があるため、マンション管理会社への就職を考えた場合も有利になる。
また、国家資格ではないが、公認ホームインスペクター試験もある。住宅診断・検査の担い手だ。試験主催団体の日本ホームインスペクターズ協会は、国交省による「長期優良住宅化リフォーム推進事業」のインスペクター講習団体に採択された。これにより、試験の合格者には同推進事業の実施要件であるインスペクションを手掛けることが可能となり、中古住宅市場流通活性化のけん引役になれる。宅建業法改正で、インスペクションが重要事項説明の項目になったことも、追い風となっている。
同じく国家資格ではないが、賃貸不動産経営管理士も、賃貸住宅管理業者登録制度の改正により、貸主への重要事項説明の担い手となり、注目されている。宅建試験に比べて合格率が高いので、民法や借地借家法の知識を生かすチャンスだ。
今回の試験で身に付けた勉強の習慣を途切れさせることなく、更なる資格取得へ足を踏み入れてほしい。
























