2016宅地建物取引士受験セミナー (42)
住宅新報 2016年9月6日 号 12面
宅建セミナーは9月27日号で終了する予定です。第5クールは25問となります。
【問題5-6】
担保物権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
(1)造作を取り外して建物を返還しなければならないという不都合を回避するため、借家人は造作買取請求権に基づき建物を留置することができる。
(2)建物の賃貸人の先取特権は、借家人が建物内に持ち込んだ金銭、有価証券、宝石類など必ずしも建物に常置されるものではない物にも及ぶ。
(3)不動産質権者は、質物について自ら使用・収益するだけでなく、第三者への賃貸・用益物権の設定も認められる。(4)根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から3年を経過したときは、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時から2週間を経過することによって確定する。
【問題5-7】
契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
(1)解除の意思表示は、相手方への到達によって効力を生じ、撤回できないので、撤回を認める相手方との合意は無効である。
(2)相手方が同時履行の抗弁権を有している場合、債権者が解除するためには、解除に至るまで自らの履行を継続して提供し続ける必要がある。
(3)AB間の債権債務関係が、甲及び乙の2つの契約からなる場合、甲の債務の不履行を理由に、債権者は、法定解除権の行使として甲と併せて乙をも解除することはできない。
(4)履行不能による解除権は催告を要せず、履行不能という事実のみによって直ちに発生するが、念のため催告することは差し支えなく、この場合には催告期間の満了の時に解除権が発生する。
【問題5-8】
借地借家法の借地権と借家権に関する次の記述のうち、民法、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
(1)借地権の当初の存続期間を20年と定めても無効となるが、一般の借家権の存続期間を6カ月間と定めても有効である。
(2)借地人が建物の登記をしていれば、土地の借地権を第三者に対抗できるが、借家権は建物の引渡しを受けていれば、借家権を第三者に対抗できる。
(3)借地権には、「地主の承諾に代わる裁判所の許可制度」があるが、同様に借家権には、「家主の承諾に代わる裁判所の許可制度」がある。
(4)借地の目的が一時使用の場合は、借地借家法は全面的に適用されないが、一時使用が明らかな借家については、借地借家法の多くの規定が適用されない。
【問題5-9】
都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア都道府県が都市計画区域を指定するには、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国の利害に重大な関係があるときは、国土交通大臣に協議し、その同意も必要である。
イ高層住居誘導地区においては、土地所有者等の申請に基づき、特定行政庁が複数の敷地について特別の容積率の限度を指定することにより、敷地間の容積率の移転が可能となる。
ウ特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を含む)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるように、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域である。
(1)一つ (2)二つ (3)三つ (4)なし
【問題5-10】
都市計画法第29条の許可に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)市街化区域内において必要な場合は、都道府県の条例で300m2以上1,000m2(または500m2)未満の範囲で、開発許可を要しないとすることができる。
(2)準都市計画区域内において、畜舎の建築を目的とする当該区域内における開発行為には、都道府県知事の開発許可は不要である。
(3)用途地域の定めのない土地のうち、開発許可を受けた開発区域内においては、工事完了公告があった後は、都道府県知事の許可を受ければ、当該開発許可に係る予定建築物以外の建築物を新築することができる。
(4)何人も市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、仮設建築物の建築を行う場合にも都道府県知事の建築許可が必要となる。
【問題5-6】 正 解 (1)
(1)は誤りで、正解。
判例は、造作買取請求権は造作に関して生じた債権であって、建物に関して生じた債権ではないことから牽連性を否定し、建物留置を認めない(民法295条、最判昭29.1.14)。
(2)は正しい。
「建物に備えつけた動産」がこの先取特権の対象であり、それは、借家人が建物内に、ある期間継続して存置するために持ち込んだ動産を意味する(同法313条2項、大判大3.7.4)。
(3)は正しい。
不動産質権者には使用・収益権があり、自ら使用・収益するだけでなく。第三者への賃貸・用益物権の設定も認められる(同法356条)。
(4)は正しい。
同法398条の19第1項。これに対して、根抵当権者は、いつでも、担保すべき元本の確定を請求することができる。この場合において、担保すべき元本は、その請求の時に確定する(同条2項)。
【問題5-7】 正 解 (4)
(1)は誤り。
相手方の利益を保護するために、解除は撤回できない(民法540条2項)。しかし、第三者に対抗することはできないが、相手方との関係では、合意によって撤回できると解されている。
(2)は誤り。
相手方が同時履行の抗弁権を有している場合、債権者が解除するためには、1度自己の債務の履行を提供して同時履行の抗弁権を失わせていれば、提供を継続する必要はない(大判昭3.10.30)。
(3)は誤り。
社会通念上、甲又は乙のいずれかが履行されるだけでは、契約を締結した目的が全体として達成されないと認められる場合には、甲乙併せての契約解除も認められる(同法541条、最判平8.11.12)。
(4)は正しく、正解。
履行不能の場合、解除権は履行不能という事実のみによって直ちに発生する。しかし、念のため催告することは差し支えなく、この場合には催告期間の満了の時に解除権が発生する(大判昭9.12.21)。
【問題5-8】 正 解 (2)
(1)は誤り。
借地権の当初の存続期間を30年未満とした場合は無効となり、30年となる(借地借家法3条)。一般の借家権の存続期間を1年未満とした場合、期間の定めのない契約となる(同法29条1項)。
(2)は正しく、正解。
建物の登記があれば、土地の借地権を第三者に対抗できる(同法10条1項)。建物の引渡しを受けていれば、借家権を第三者に対抗できる(同法31条1項)。
(3)は誤り。
借地権には、「地主の承諾に代わる裁判所の許可制度」がある(同法14条3項)。しかし、借家権には同様の制度はない。建物は、借主により保存状態が大きく変わるので、家主の意向を無視する制度は採用できない。
(4)は誤り。
一時使用の借地には、多くの規定が適用されない(同法25条)。一時使用の借家には、借地借家法は適用されない(同法40条)。
【問題5-9】 正 解 (4)
アは誤り。
都市計画区域の指定には国土交通大臣との協議及びその同意が必要(都市計画法5条3項)。「国の利害~」は、都市計画決定の手続に関するものである(同法18条3項)。
イは誤り。
土地所有者等の申請に基づき、特定行政庁が複数の敷地について特別の容積率の限度を指定することにより、敷地間の容積率の移転が可能となるのは、「特例容積率適用地区」である(同法9条15項)。
ウは誤り。
特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)内において、その良好な環境の形成又は保持のため当該地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるように、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域である(同法9条14項)。
すべて誤った記述であり、正解は(4)である。
【問題5-10】 正 解 (4)
(1)は正しい。
市街化区域内において必要な場合は、都道府県の条例で300m2以上1,000m2(または500m2)未満の範囲で、開発許可を要しないとすることができる(都市計画法施行令19条1項)。
(2)は正しい。
市街化区域以外の区域内において、農林漁業の用に供する一定の建築物又はその業務を営む者の居住用建築物の建築を目的とする開発行為は、許可が不要である(同法29条1項2号、施行令20条1号、2号)。
(3)は正しい。
何人も、開発許可を受けた開発区域内においては、工事完了の公告があつた後は、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物の新築・改築・用途変更、特定工作物の新設をしてはならないが、都道府県知事が許可したときはすることができる(同法42条1項)。
(4)は誤りで、正解。
何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の建築許可を受けなければ、一定の建築物を除き、建築物の新築等をしてはならない(同法43条1項)。ただし、仮設建築物の新築には、都道府県知事の建築許可は不要である(同項3号)。
























