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スタンダード会員限定マンション管理応援歌No.53 廣田信子の紙上ブログ 被災マンションを悩ます被害判定(1)

住宅新報 2016年8月9日 号 6面

連載: 廣田信子の紙上ブログ マンション管理応援歌

管理(賃貸・分譲)

 先日、ようやく熊本に伺いました。改めて、今被災マンションが直面している課題は、東日本大震災時と驚くほど同じでした。なかなか経験は共有されないのです。

 被害が大きいところほど、まったく手がついていません。マンションの構造的な被害状況を正確に知らなければ次に進めないのですが、被害判定には目的に応じて4つの種類があって判定結果が異なることから混乱を引き起こすのです。

公的な2つの判定

 今回は2つの公的な判定を紹介します。

 (1)応急危険度判定…市区町村によって行われる直接の危険性の判定です。主に二次災害を防ぐことが目的で、建築士の資格を有し講習会を終了、登録している応急危険度判定士によって行われます。判定の種類には、「調査済み(緑):危険がない」「要注意(黄):損傷があるが立入は可能」「危険(赤):倒壊の危険が高いので立入禁止」の3種類があります。熊本の被害の大きいマンションの入り口にも「赤紙」が貼られていました。

 (2)罹災証明認定基準による判定…市区町村によって行われる内閣府が定める災害の被害認定基準による判定です。これは、保険の請求や税の減免などの手続きに必要で、国の各種救援措置もこの罹災判定によって決まります。判定の種類には4つがあります。主要構造物の経済的被害が時価の5割以上に達した程度のものが「全壊」、4割以上5割未満が「大規模半壊」、2割以上5割未満が「半壊」、2割未満で一部が破損したものが「一部損壊」です。居住者が申請手続きをするという戸建てを想定した制度設計ですが、主要構造部を共有しているマンションはそうはいきません。

 東日本大震災時に関係者が役所と掛け合い、マンションは理事長の申請により管理組合として棟ごとに認定を受けることができました。しかし、この法解釈は全国で共有されておらず、熊本地震でも当初、役所はあくまで個人の申請と言っていて混乱しました。マンションとして認定を受けると、住民全世帯に罹災証明書が発行されます。

 ただし、この2つの判定基準は、必ずしも修復可能かといったこととリンクしていないのでややこしいのです。熊本でもいろいろなドラマが展開している、あと2つの判定基準は次号以降で。

(マンション総合コンサルティング代表取締役)

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