不動産取引現場での意外な誤解 賃貸借編(83) 借家人には他人の私道の通行権はあるか?
住宅新報 2016年7月26日 号 8面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解
Q 「借家」の場合にも、その敷地が他人の私道に面しているケースがあります。このような場合に、借家人の通行権をどのように考えたらよいのでしょうか。借家人にも通行権が発生するケースはあるのでしょうか。
A 基本的には、借家人に通行権が独自に発生するケースはないと考えるべきでしょう。なぜならば、借家人は、その建物が存在する敷地はもとより、その敷地に接する道路についても、その建物への出入りに必要な範囲内の通行ができると考えられているからです(判例)。したがって、その通行に関する法的根拠は、賃貸人の有する通行権を借家人が代位行使するということになり(民法423条)、新たに借家人に通行権が発生するというものではないからです。ただ一部の下級審で、囲繞地通行権について対抗力を有する借家人に権利取得を認めたものがありますが(大阪地判昭和48年1月30日)、ほとんどの裁判例は借家人独自の権利取得を認めていません。
Q 借家人がその建物の敷地に面している他人の私道について、私道の所有者からその道路の補修費用の負担を求められた場合、それは借家人が負担しなければならないものなのでしょうか。
























