マン活に励む管理組合 桜上水ガーデンズ 東京都世田谷区 四半世紀かけ建替え実現(下) ニュースレターで絆を維持
住宅新報 2016年6月7日 号 6面
連載: マン活に励む管理組合
桜上水団地建替え事業は、(1)17棟(4階建て※一部5階建て)で404戸から、8棟(6~14階建て、共用棟含む)で878戸、(2)全棟に免震構造採用、(3)駐車場の地下化によるゆとりある敷地の確保、(4)1住戸当たり平均70m2の専有面積の住戸、(5)一定の引越し仮住居費を事業費で見込む、これらの条件で建替え決議を可決。それでも最終的に、権利者(旧住民)の多くは費用を追加負担し、面積を増やした形で権利変換を行いました。
裁判やそれに伴う着工遅れが響き、仮住まい期間は4年に及びました。建替組合員の有志は離れて暮らす旧住民の絆を絶ってはいけないということで、2~3カ月に1回の割合で「桜上水のつどい」を開催。並行して建替組合では2カ月に1回のペースで「建替えニュース」を発行し、建替え工事の進捗状況と今後の予定を知らせるようにしました。
これは建替組合の広報メンバーが担当し、権利者(旧住民)に配布。工事竣工までにおよそ60回発行しました。予定よりも長期間の仮住まいを余儀なくされた権利者(旧住民)は不安も多かったといいますが、「実際に自分の目で建設が進んでいることを確認できたのでよかった」「定期的に届くニュースを見て状況が把握できたので安心できた」という声が多く聞かれました。理事も「長年ここに住んで培ってきた大切なご近所との関係。皆さん心配・不安が多かったと思いますが、横の連携が途切れることなく入居できたことは本当によかった」とホッとした様子でした。
生まれ変わった桜上水団地には、新たな居住者が約520世帯増えました。当初は50代が中心になると考えられていましたが、結果的に30~40代が多く入居することになりました。中庭では子供の遊ぶ姿が増え、毎日楽しそうな声が響き、新設した共用棟のキッズルームは連日盛況だといいます。旧管理組合の理事メンバーも「高齢化が進んでいたマンションが、新たな入居者のおかげで1つの社会が形成できるようになった。新旧住民が融合し、新しいマンションのあり方・生活を構築していければ」と考えています。
一方で昔からの居住者からは、建替えに伴い桜の木がかなり減ったことを残念がる声も多いようです。旧団地は桜並木を中心に5000本以上の木々が植えられ、84年には「第1回せたがや界隈賞」を受賞するなど、緑豊かな団地として有名でした。そのため旧管理組合では年間800万円をかけて桜並木を維持すると共に、自主植栽クラブを通じ日常的に緑化活動を行っていたといいます。今回の建替えでは樹木を植え替え、新たに360本を植栽しましたが、昔を知る人にとっては「緑が減ってしまった」と感じるかもしれません。すでに植栽クラブを立ち上げる話も出ていることから、「そのあたりは昔からの居住者を中心に意欲的に取り組んでいきそう」(建替組合理事)と期待されています。いずれにせよ、何もかもが再スタートを切ったばかり。「今後は新体制の下、いろいろなことに取り組みながら、いいマンションにしていきたい」というのがマンション居住者全員の願いです。
(取材年月・15年12月)
【マンション概要】
建物名/桜上水ガーデンズ▽所在地/東京都世田谷区▽階数/6~14階建て・8棟▽総戸数/878戸(非分譲住戸356戸含む)▽竣工年/15年▽管理形態/委託管理▽管理会社/野村不動産パートナーズ(株)▽総会開催/毎年6月▽役員数/22人▽役員任期/2年(1年ごとに半数改選予定)

























