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プレミアム会員限定不動産取引現場での意外な誤解 売買編(82) 売主に責任がある場合、減額請求+損賠請求ができるか?

住宅新報 2016年2月16日 号 10面

連載: 不動産取引現場での意外な誤解

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 Q 前回のこのコーナーで今年改正される予定の民法の瑕疵担保責任に関する規定が一番わかりにくいと書いてありましたが、売買の場合に代金の減額請求ができるケースというのは、現行法ではかなり限定されていましたよね。

 A よくご存知ですね。代金の減額請求ができるケースというのは、(1)権利の一部が他人に属していた場合と、(2)数量指示売買で数量が不足していた場合の2通りだけです。しかし、この規定は瑕疵担保責任としての規定ではなく、一般の売主の担保責任としての規定の中に定められているものです。

 Q それが改正法によって、今後はすべての「契約不適合」について代金の減額請求ができるようになるということでしょうか。もしそうであれば、その改正法の根拠条文についても知りたいのですが。

 A すべての「契約不適合」について代金の減額請求ができるようになるというのは、その通りです。改正法は売主の担保責任に関する改正前の規定をすべて一本化したわけですから、そういうことになります。そして、その「契約不適合」が契約の目的を達しえないものであれば、買主は契約を解除することができますし、その「契約不適合」の責任(帰責事由)が売主にある場合には、更に損害賠償の請求をすることもできます(改正法415条=売主に責任がある場合の損害賠償請求、542条1項5号=契約の目的を達しない場合の無催告解除、564条=「契約不適合」の場合にも、損害賠償や契約解除に関する一般規定が適用される旨の規定)。

 Q それは契約を解除する場合以外に、修補等の追完請求や代金の減額請求をした場合にも、併せて請求できるということですか。

 A 大変良い質問です。しかし残念ながら、修補等の追完請求をする場合にはできますが、代金の減額請求をする場合にはできません。代金の減額請求というのは、代金と物件の価値との等価的均衡を保つための一部代金返還です。実質的な損害賠償請求と同様の機能を果たすことになりますので、いかに売主に帰責事由があっても、減額した後に同じ原因で二重に賠償請求するということは認められないからです。この点は、現行法上の対応としても同じことだと思います。

渡邊不動産取引法実務研究所

     代表 渡邊 秀男

 

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