明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第114回 渋谷駅の再開発 鉄道高架橋をお洒落にしよう
住宅新報 2015年12月22日 号 4面
【学生の目】
ケヴィン・リンチは著書『都市のイメージ』で、結節点(ノード)という考え方を示した。結節点は人や物が集まる所で、パス(道・通り)、エッジ(縁・境界)、ディストリクト(地域・特徴ある領域)、ランドマーク(目印・焦点)を合わせた5つの要素で都市の特徴を把握し、説明した。都市の分かりやすさを5つの要素で説明する考え方は、その後の都市計画やまちづくりに大きな影響を与えた。
結節点の代表的なものは鉄道の駅である。電車や汽車に乗って人や物が集まると同時に、電車や汽車に乗って出かけるために多くの人や車が集まる。かつて駅は都市の表玄関であり顔であり、また最もにぎやかな場所でもあった。しかし最近では様子が随分変わった。地方都市に行くと、人や車は郊外に新設されたショッピングモールに集まるようになり、駅前商店がさびれている。県庁所在地であっても例外ではなく、都市のイメージは様変わりしている。
これに対して、東京都心部の鉄道駅は、ますます結節機能を高めている。昨年開業100年を迎えた東京駅の駅舎建て替えは、その代表的なものである。日本の顔としてこれからも結節点であり続けることは間違いない。
東京駅は多くのJR線の発着がある一方、地下鉄は丸の内線だけである。またJRのホームは並行して設けられ、西に向かう中央線もいったん北上して神田駅を通過し、そのあと西に向かう。つまり、東京駅の結節機能は「I字型」で確保されている。対照的な駅としてドイツのベルリン中央駅がある。多くの鉄道線路が直交する「十字型」によって結節している。ガラス張りでモダン建築の駅舎内は、直交する鉄道線がつくる空間構成がダイナミックだ。
ベルリン中央駅よりもっと複雑な駅が日本にある。渋谷駅だ。JR、東京地下鉄、東急、京王の計8つの鉄道線路が結節する。東西南北に交差する鉄道線路で区分される渋谷駅周辺の空間は「日の字型」だ。「日の字型」ゆえに駅周辺はわかりにくさがあったが、最近開発が進み、結節機能が進化した。
開発でお洒落度を高めた渋谷駅周辺だが、その分、鉄道高架橋の橋げたの醜さが目立つようになった。高架橋の醜さは首都高速道路の日本橋上空でも問題となっている。ベルリン中央駅のように高架橋をガラスで囲い、渋谷駅をさらにお洒落にすることを提案したい。 (岡部将史 不動産学部3年)
【教員のコメント】
駅の空間が進化している。駅で雨を避けるのは、ホーム上にわずかにかけられた石綿成型版であったが、今は大屋根をかけ、空港ビルの吹き抜けのような空間をもつ駅もある。車社会と共存し、空輸時代と競う工夫に不動産開発のヒントがある。























