不動産取引現場での意外な誤解 賃貸借編(75) ペット敷金の追徴などは公平に反しないか
住宅新報 2015年10月27日 号 9面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解
Q 前回のペット敷金特約の話で、全額償却の定めが損害賠償額の予定になるとのことですが、不足が生じたときに追徴し、余剰が生じたときに返還しなくてよいというのでは、公平に反するのではないでしょうか。
A 確かに公平という観点からはその通りかも知れませんが、そもそも本件の特約の趣旨は、一般的に禁止されているペット飼育を認める場合に、後日の原状回復の際のトラブルを避けるためにやむを得ず定める敷金特約であり、かつその全額償却の特約ですから、いかに公平といっても、もともとペット飼育は建物賃貸借契約においては、借主の当然の権利というわけではありませんので、それをやむを得ず貸主が認めるとすれば、たとえ余剰金が生じたとしても、それを借主に返還しないという特約をしても、それが著しく公平を欠くということにはならないと考えられるからです。
Q その点はよく分かりました。しかし、民法420条1項の規定の趣旨からは、損害賠償額の予定をしたときは、裁判所もその額を増減できないと定めているくらいですから、不足の場合に追徴ができるという特約については、それが本当に有効なのでしょうか。
























