お寺に出かけて建物を見ると、軒先に複雑な構造体があるのに気づかれると思います。これは屋根や軒など、上からの荷重を縦横に組み合わせた部材によって受ける部分で「斗(と)ぎょう」と言います。横材を受ける面取りした直方体部分はその形状が似ていることから「「斗(ます)」と呼ばれます。斗は升の意味で、現代ではほとんど使われなくなりましたが、米や酒、みそなどの容積を量る道具です。建物の上棟式や落成式で小型の升にお酒を入れて乾杯をしますが、「益々清栄」にかけた祝い事です。
ちなみに単位としての斗は10合が1升(1.8リットル)、10升が1斗、10斗が1石で、例えば前田家・加賀100万石という石高のスケールが容易に想像できます。
斗ぎょうは斗組(ますぐみ)、組物、斗形ともいいます。斗ぎょうは深く持ち出した軒の荷重を支える部材ですが、最も目につく位置にあるため、装飾部品として大きな意味を持っています。中国から韓国を経て日本に寺社建築が伝来しましたが、斗ぎょうには各国それぞれ工夫の跡が見られます。
























