用地取得、本格強化から半年 5千件の新規開拓で成果 大成有楽不動産 「その他情報」有効活用 「事業領域拡大」に寄与
住宅新報 2015年6月16日 号 5面
「マンション用地の取得環境は、依然として厳しい状況であることに変わりはない」と指摘するのは、マンション事業本部長の三宅正弘氏。同社では半年前、「年間マンション供給1000戸体制の維持」を旗印に、用地仕入部隊をそれまでの15人から34人に増やした。そして、価格競争に巻き込まれない「相対取引」の割合を引き上げる方針も打ち出した。
具体的なアクションは、この半年間に新規開拓先として4000~5000社の企業を飛び込み営業で回った。マンション用地を探すことはもちろんだが、それ以外の用地や物件情報についても幅広くキャッチするためだ。市況が良かった頃は、1年を通じてそれなりにマンション用地の取得はできたという。ただ、近年の厳しい状況を考えた場合、積極的にアプローチしなければ「1000戸」の数字は到底達成できないとの判断だった。
新規エリアの開拓よりも、既存の首都圏中心の供給エリアでの深堀を図った。この間に仕入れられたマンション用地は6カ所。小規模から大規模まで様々だ。すべてが相対取引ではないが、以前よりもその比率は上がったという。「当初立てた計画通りの進ちょく」(三宅氏)といい、確かな手応えを感じているようだ。また、築年数の経過したマンションの管理も数多く受託しているため、「建て替え」を通じた新築マンションの供給にも積極的に着手したいと考えている。
新たな戦略も
同社では、マンション用地の取得と共に「事業領域拡大」を打ち出した特徴もある。その役割を担う投資開発部の糺(ただず)幸男本部長は、「想定以上に成果が上がっている」と語る。
そもそも、同社が事業領域拡大を方針として打ち出した背景には、「既存の枠にとらわれないビジネスモデルの構築」がある。マンション用地、ビル用地、戸建て開発用地など事業セグメント以外の情報については、これまでだと〝捨てる〟状況だった。その捨てていた情報を基に、「何とか事業化できないか」を模索する専門部署として立ち上がったのが投資開発部だ。半年前は、社長直轄の「投資開発室」の名称だったが、「部」へと昇格し、不動産事業統括本部への編入となった。
「想定以上の成果」(糺氏)は、前述の4000~5000社の新規飛び込み営業が大きく寄与している。マンション用地には適さないものの、その他の事業として活用できそうな情報が数多く飛び込んできた。その中から精査し、これまでに仕入れた案件は8物件。賃貸用地4件、既存のリノベーション物件1件、既存ビル(区分所有)2件、再開発事業への参画を想定した〝タネ地〟が1件だ。新規に開拓した営業先を継続的にフォローすることで、集まる情報は今後更に増加していくことが予想される。
土地を見てから決定
三宅氏、糺氏ともに、「これまでの事業については、マンションを建てる、ビルを建てる、戸建てを建てるといった視点で土地を選定していた」と振り返る。それが、今は土地を見て、どのような建物なら事業化できるかといった視点に変わったと指摘する。いわゆる「セクショナリズム」ではなく、部署間での協力体制の構築だ。1週間に1回は、綿密な情報交換を行っているという。
マンション用地を探すためにかいた汗を、余すことなく全体の収益として生かしていく体制が、同社では整ったようだ。























