藤澤雅義の賃貸管理 現場中継 (80) 目指すべき「稼働率」 96%を一つのゴールに 意外に長い平均空室日数
住宅新報 2015年2月10日 号 6面
連載: 藤澤雅義の賃貸管理 現場中継
「図表1」にあるのが、「稼働率ベースの空室率」を表す式だ。式1の考え方はこうだ。
仮に10戸の賃貸住宅があって、1年365日運用しているなかで、年に何戸かの解約(退去)があるとする。この解約された部屋がそれぞれ平均何日の空室期間があるかで、その物件の「空室率」を求めることができる。
式2は式1を展開したものだが、この場合の「解約率」とは、1棟の物件から1年間に何戸の解約があるかということと定義とした。10戸中解約が2戸なら、解約率は20%という意味だが、一般的な賃貸住宅の解約率は大体20%から25%の間で推移していると思われる。エリアによっては地方のファミリータイプの場合で、解約率が15%ということもままあるが、大まかにいってシングルタイプで25%程度、ファミリータイプで20%程度と言えるのではないか。
式2を展開したものが式3だ。これは、現状の空室率と解約率がわかっている場合に、果たして、解約があるたびに平均の空室期間がどれくらいあるかを測る式となっている。
そこで、仮に空室率が10%、解約率が25%であったとしよう(「図2」の式4)。そうすると、平均空室日数はなんと146日、約5カ月と導き出される。実感はあるだろうか? なんとなく、もうちょっと短いような気がしていないだろうか?
ここで、空室率2%、稼働率98%という「優秀な」賃貸経営を想定してみよう。「図表2」の式5がそれにあたるが、平均空室日数は29.2日となる。約1カ月間だ。稼働率98%の賃貸経営とは、空室期間が1カ月で次の入居者が決まるという意味なのだ。空室期間が2カ月くらいで決まる場合には、稼働率96%(空室率4%)の賃貸経営が実現しているといえる。大体、このあたりを一つのゴールとして空室対策に励むべきではないかと思っている。
オーナーズエージェント、アートアベニュー代表取締役 藤澤雅義

























