下地(したじ)というと、一般的にはお化粧などのファンデーションをイメージしますが、建築では最終仕上げ=化粧仕上げのベースメントを意味します。建築はすべての部位が化粧仕上げで覆われ、下地は目に見えない部位ですが、よく「段取り八分、仕上げ二分」と言われるように、下地施工は非常に重要な働きをします。いい加減だと、どんなに高価な仕上げ材を使っても不陸(面の波打ち)や目地違いが発生して、その効果を上げられません。
例えば住宅の壁下地は、次のような構成になっています。通常、柱や間柱などの構造材は垂直に走っています。この構造材の上に胴縁という補助材を水平に取り付けます。胴縁を取り付ける間隔は仕上げ下地材のサイズによって異なります。プラスターボードなどの場合には455ミリまたは303ミリの整数倍で取り付けます。その段階で水準器や下げ振り、クサビなどを使って取り付け面を真っ平らに仕上げます。この段階が非常に重要で、手抜きをすると壁は真っ平らに仕上がりません。
仕上がった胴縁上にプラスターボードを張って仕上げ下地としますが、プラスターボードの木口(こぐち=端部)はバリが残っているので、この上に壁紙を貼ったり塗装をしたりすると線が見えてしまいます。プラスターボードの接合部にパテ(微粉末の入った塗料)を塗り、乾燥後にサンダーなどで面を整え、線を消します。ここまでが壁下地工程です。
床の場合は、大引きなどの構造材の上に根太(ねだ)という水平材を455ミリまたは303ミリ間隔で平行に流します。壁における胴縁と同じ役目の材で、ここでも完全な水平面を出します。根太の上に構造用合板(コンパネ)を張り、床下地とします。フローリングの場合は、コンパネの上に釘やタッカーを使って床材を張り上げます。絨毯ならコンパネの上にフェルトなどを敷き、絨毯が弛まないよう壁際にグリッパーという細い部材を取り付け、本体を張り込みます。
天井下地は、母屋や梁などの吊り木という角材に、床材の根太に該当するグリッド状の野地組(のじぐみ)を水平に取り付け、野地組に化粧下地となるプラスターボードを張り上げます。照明器具やエアコン、点検口に気を付けて野地組を構成、補強する必要があります。
「壁体内換気」が常識化 外壁部分は注意を
外壁下地は少し複雑です。柱や間柱に胴縁を取り付けるのは同じですが、最近は壁体内の換気システムの使用が常識化しており、水平胴縁を取り付けると垂直方向の通気を阻害するため、胴縁を縦に取り付けて通風路を確保します。縦胴縁の上にコンパネを張り上げ化粧下地にするケースと、直接縦胴縁にサイディング材などを取り付けるケースがあります。
いずれにしても、最近の工法では下地の組み付け如何で住宅の性能が大きく変わることが多く、下地については特に注意深さが求められます。
(建築家・中村 義平二)
























