60歳からの住宅ローン【リ・バース60】累計申請件数1万件突破

様々な不動産情報が盛り沢山!

スタンダード会員限定中古住宅流通 激戦・保証サービス (上) 買主の利用率40% 広がるトラブル予防の意識 仲介業の「変革」象徴

住宅新報 2014年10月21日 号 7面

連載: 中古住宅流通 激戦・保証サービス

売買・賃貸仲介
主要流通各社による保証サービスの主な内容※建物保証の対象部位は雨漏り・シロアリ被 害・構造上主要な部位の木部の腐食(戸建てのみ)、給排水管の故障で各社共通

主要流通各社による保証サービスの主な内容※建物保証の対象部位は雨漏り・シロアリ被 害・構造上主要な部位の木部の腐食(戸建てのみ)、給排水管の故障で各社共通

 不動産流通各社の中古住宅向け保証サービスが、着実に浸透している。大手系は既に一通り導入し終え、先行企業では申し込み件数が1万件を突破。特に「引き渡し後のトラブル回避」というメリットが、売主に受け入れられているようだ。更に各社は、対象住宅の築年数要件を緩和したり対応地域を広げたりと、内容を差別化して競合する局面に入っている。集客につながるにしても、手数料収入からの出費が避けられない同サービス。それでも各社が取り組み、消費者の支持を得ている現在の構図からは、売買仲介業が変革する兆しも見受けられる。

 不動産流通経営協会(FRK)は毎年実施している「不動産流通業に関する消費者動向調査」で、今年度初めて流通各社の中古住宅向け保証サービスに関する設問を設けた。同協会の協力会社のうち、大手を含む12社を対象としたものだ。それによると、中古購入者の利用率は40.3%に上った。

申込み件数1万件突破

 企業ごとの近況からも、建物躯体と設備を問わず保証サービスの浸透ぶりが分かる。他社に先駆けて12年10月に建物保証を始めた東急リバブルは今年8月、売主の累計申し込み件数が1万件を突破。三井不動産リアルティも同様だ。13年にマンションの設備保証に特化して開始した大京リアルドは、9月時点で6700件に達したという。

 新築住宅は引き渡し後10年間の瑕疵担保責任の履行が事業者に義務付けられている一方、個人間で売買される中古住宅については、法律を根拠とする定めが存在しない。仲介業者が各業界団体の売買契約書のひな型に即して、当該条項を取り決めるのが一般的だ。例えばFRKでは、引き渡し後3カ月間の瑕疵担保責任は売主が負う、としている。それを超えて瑕疵が見つかったときは、取引の当事者である消費者に負担が生じるということである。

 この点を逆手にとり、安心感を訴求する狙いで導入されているのが保証サービスだ。国土交通省が認可する既存住宅売買瑕疵保険とは別に、流通各社が原則無料のサービスとして独自に展開している。売主から専任・専属専任媒介を受託した物件について、建物躯体は引き渡し後1年にわたって最大250万円、設備は引き渡し後6カ月~1年にわたって、最大10万~500万円程度まで保証するのが通例だ。

「最悪」は後の瑕疵発覚

 業界では当初、サービスの提案を拒む売主が多いのではないか、という見方が少なくなかった。これらのサービスでは、媒介の受託時点で保証の可否を判断する検査を行うが、結果が不適合なら売却活動に不利に働くリスクもあるからだ。しかしふたを開けてみると、実状は少し違った模様。「利用可能な住宅の8割で申し込みがある」という東急リバブルをはじめ、売主の申し込み率は総じて高い。また、13年夏に設備修理サービスを始めた三菱UFJ不動産販売は「8月の申し込み件数が前年同月比30%増」と、利用が増加基調だという。

 検査時に見つかった不具合の補修も含めた保証サービスを実施している、野村不動産アーバンネット。同社流通事業本部の木内恒夫営業推進部長は、「引き渡した後で瑕疵が見つかることが、売主にとって最悪の事態」と指摘。売却活動の先にある、〝事後トラブルの回避〟という本質的なメリットを強調する。全般的にその周知が進んでいることが、前出の統計にも表れているようだ。

 一方で保証サービスの普及は、言い換えればそれ自体に目新しさがなくなっているということ。そこで各社は適用範囲を広げたり、別のサービスを付加したりして、差別化の活路を開こうとしている。野村不アーバンは9月、戸建ての建物保証の対象に「地震による損壊」を追加。三井不リアルも9月より、設備修理について、300万~900万円だった保証上限額を一律1000万円に増額した。三菱UFJ不販は、対象を「71年以降の建築物」と幅広く設定。「媒介の受託で競り勝つことができている」という。

 専任媒介の獲得に限らず、「購入決断の後押しにはなっている」(三井不リアル)といったように、保証サービスが何らかの形で各社の実績に貢献している実態はある。ただ、無償を基本とするサービスの原資は手数料収入。収支が釣り合うにしても、コスト負担は小さくないとみられる。それにもかかわらず各社が継続し、改良を重ねている背景には〝危機意識〟があるようだ。前出の野村不アーバン・木内部長が言う。「以前は売主と買主をマッチングさせる条件交渉が仲介業者の役割だったが、その立場が変わってきた。単純な折衝にとどまらず、双方により安心してもらえる取り組みをしていかなければならない」。

 保証サービスの浸透は単純なトピックではなく、業界変革の〝序章〟に過ぎないのかもしれない。

 

求む!買取物件 価値ある中古不動産の売買はムゲンエステート住宅新報別冊 不動産テック.BIZ Vol.14 最新号発行 不動産×ITの最新トレンドをお届け会員会社(賛助会員を含む)のプレスリリースを一元的に集約・掲載する情報発信サイト マンション管理プレスリリースセンター

関連サービス