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プレミアム会員限定明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第51回 住宅の屋根 多様な材料、建築様式の提案を

マンション・開発・経営
  • 小野史奈 不動産学部3年

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  • 街中で目立つのは切り妻屋根の家

    2 / 2街中で目立つのは切り妻屋根の家

 【学生の目】

 屋根は、雨露を防ぐために家屋の最上部に設けたおおいと定義される。勾配屋根と陸屋根に大別され、日本の戸建て住宅では、排水経路の確保が容易で漏水トラブルが少ない勾配屋根が多い。

 勾配屋根のうち、切り妻は構造が簡素でローコストで造ることができ、費用対効果の面で需要がある。しかし屋根が2方向しかなく、風に弱い。また、屋根の裏側や壁との結合部分が露見し重厚感に乏しい。寄せ棟は4方向に屋根があるので風に強く、屋根裏も隠れて重厚感がある。しかし、小屋組が複雑で、棟部分の工事に手間がかかるなど割高になる。

 街を歩くと様々な形状の屋根が並んでいて、統一感がまるでない。土地の制約に加え建築主の経済状況や趣味によるためだが、最大の制約はやはりコストだ。日常の使用と一定程度の災害への安全が確保できれば、安い方を選ぶのが通常で、これが切り妻が多い理由である。

 視点を街並みに変えよう。世界遺産の白川郷では豪雪、利用できる建築材料、住居兼養蚕に対して合理的な建築様式として合掌造りが生まれ、皆が採用することで集落型の街並みができている。中山道・馬籠に代表される宿場町では沿道型の街並みがある。限られた範囲に多くの建物を建てるために敷地の間口を狭くし、建物を道路、隣地いっぱいに配置することで街並みができる。

 白川郷の統一感は必要な広さの敷地が確保できることが背景にある。馬籠の統一感は、木材以外の材料がなく、皆が同じ材料を使うことが背景にある。日本の都市は統一的な建築様式を配置するには土地が細分化されすぎていて、敷地ごとに合理的な屋根形状が異なる。

 北側斜線や高度地区をクリアするために不規則な勾配や形にすることもある。豊かで多様な材料が使用できることも統一感のなさを拡大させる。防火規定への対応も課題だ。垂木や母屋や破風など木材の美しさが日本建築の特色だが、準防火地域では木材をモルタルで覆うなど造形美が失われる。

 白川郷のように規律によって統一感を持たせるべきか。私は否と考える。世界遺産の集落と、多数が日常過ごす都市を一緒にすることは現実的ではない。規律によるコスト増をだれもが負担できるとは限らない。不動産学の立場から、多様な材料、敷地の制約、建築基準に対応する建築様式を提案し、都市の価値を高めたい。(小野史奈 不動産学部3年)

 【教員のコメント】

 平面図の完成度の高さが屋根形状に表れる。醜悪な建物はまず、平面計画が拙い。意匠によってカバーすることもできるが、デザイン力が感じられない設計も多い。中古住宅流通の活性化のために建物格付けの動きがあるが、意匠も格付けの対象とするのがよい。

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