不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編(62) 借地契約が更新されると期間は何年か? 法定更新の場合は?
住宅新報 2014年6月17日 号 8面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解
Q 前回の質問の回答で、旧借地法2条に定められている堅固建物60年、非堅固建物30年という規定は、更新の場合にはほとんど適用がない(極めて稀である)と聞きました。それは、当時そのような60年・30年というような長い期間を定める人がいなかったからでしょうか。
A そういうことです。その理由は、その旧借地法2条の第2項で、堅固建物であっても30年以上、非堅固建物であれば20年以上の期間を定めれば、何も60年・30年にする必要はないと定めているからなのです。そのために、更新の場合においても、わざわざ更新後の期間を60年・30年にする必要はないということから、旧借地法5条は、合意で契約を更新する場合には、原則として堅固建物については30年、その他の建物については20年と定めたのです。もちろん、当事者の特約で、これより長い期間を定めることはできます。
Q そうすると、当事者間で更新後の条件が折り合わず、合意で更新ができなかった場合には、契約はどうなるのでしょうか。建物の賃貸借のように「法定更新」されるのでしょうか。その場合は、期間の定めがない契約になるのでしょうか。
A 期間の定めがない契約にはなりませんが、「法定更新」されるというのは建物の賃貸借の場合と同じです。ただ、法定更新された場合の借地期間は、原則として合意で更新される場合の借地期間と同じになります。
Q 合意更新される場合と同じ期間ということは、堅固建物の場合には30年、非堅固建物の場合には20年で法定更新されるということでしょうか。
A そういうことです。なお、法定更新の場合には、従前の契約が30年・20年を超える期間を定めていたとしても、更新後の期間が30年・20年を超えることはありません。
Q 建物の賃貸借の場合と大違いですね。
A そうですね。しかし、それは期間の問題だけであって、建物の賃貸借の場合でも、更新後に貸主から契約を解消させるには「正当の事由」が必要ですから(借地借家法28条)、借地の場合と同じように借主が保護されていることには変わりはありません。
渡邊不動産取引法実務研究所
代表 渡邊 秀男
























