風雨や雪、暑さ、寒さ、騒音などから生活空間を守るのが、外壁と屋根です。外壁素材の選定に当たっては外観イメージと共に、耐候性や耐久性、遮音性、断熱性など住宅の基本性能を決定づける重要な要素も考慮する必要があります。
昭和の住宅の外壁には、モルタル吹き付けが多く使われました。これは、構造柱や梁を露出させない大壁造りの普及が後押しをしています。モルタルとは砂とセメントを混ぜた材料で、これを下地の上にコテで塗ったり吹き付けたりします。一定の耐久性はありますが、ひび割れや雨水の浸透、剥落が起きやすい材料です。しかし、最近は塗り壁仕上げを希望する施主が増え、モルタル壁が見直されてきています。技術の進歩に伴い、防水性にも優れた仕上げ材の普及が塗り壁仕上げを支えています。
主流はサイディング
現在最も多く使われているのが、サイディング仕上げです。サイディングとは外壁に張る仕上げ用の板材のことで、合板やボードなどの木質系のほか、レンガやタイルなどの窯業系、アルミやステンレスなどの金属系建材があります。
窯業系サイディングは、セメントを主原料にして高圧成形し、板状に加工したものです。防火性能が高く、耐久性や施工性にも優れています。デザイン的な重量感があるのも人気の理由です。表面に防汚処理を施し、「自浄機能」を持った製品も発売されています。
凍結融解に強く、モダンなイメージを持つのが金属系サイディングです。アルミやステンレス、銅などの金属板を焼成し、塗装や天然石の粉体塗装で表面化粧を施したものです。裏面には断熱材、遮音材が充填されます。
外壁のタイル仕上げは、数は多くありませんが固定的な人気があります。現場施工のタイル張りは、単価の高さに加えて施工ミスなどによる剥落が懸念されるため、セラミック系サイディングが使われます。自然の土を、1200~1300℃の高温で焼いてつくった陶磁器タイルのサイディング材です。窯業系より耐久性に優れ、色あせせず、剥落の恐れもありません。
タイル、無垢板も人気
その他の壁仕上げ材として定常的に人気があるのは、無垢板張りです。防火・準防火地域では、外壁を木の板張りにすることはできませんが、農山村などでは昔ながらのヒノキ、ヒバ、スギなどの無垢板を下見板張りなどのように張った外壁も可能です。
最近復活の兆しを見せているのが、漆喰塗りです。漆喰は消石灰を原料に、つなぎの砂やワラなどに糊を混ぜたものです。モルタル塗りでは出せない、滑らかで柔らかな質感が人気の理由です。現在の漆喰材は混入する材料が進化し、耐久性や耐水性に優れた外壁仕上げ材となっています。
(建築家・中村義平二)
























