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スタンダード会員限定リーダーたちが描く 「全住協」の未来 第11回 静岡県都市開発協会 理事長吉田立志氏に聞く 政策機能と交流を強化 情報提供で会員支援推進

住宅新報 2014年3月4日 号 4面

連載: 「全住協」の未来

静岡県都市開発協会理事長・吉田立志氏

静岡県都市開発協会理事長・吉田立志氏

 昨春に発足した全住協の役割は、第1に政策提言と、その実現だ。静岡県都市開発協会は静岡県をエリアとした団体であるため、例えば消費税といった大きな課題への対応は難しい。全国の中堅企業の力を合わせることで政策提言力の強化と、その実現のための力が増すと期待している。

 そして、2番目に全国規模での情報交換だ。14年の全住協全国大会は静岡市で開催することが予定されている。これまでも各地の団体と交流活動を進めており、各地のマンション動向や価格などの情報交換も、より密接にできるようになる。

地域で異なるニーズ

 静岡県都市開発協会には静岡県内で分譲マンションや宅地開発、住宅建設を手掛ける有力企業のほとんどが加盟。会員数は正会員47社を数える。当協会の前身である静岡県宅地造成協会は1964(昭和39)年に発足し、今年は設立50周年を迎える。

 静岡県は人口370万人強。地形的には東西に細長く、市町村ごとに住宅・都市政策が異なっている。静岡市を中心とする中部は、山が迫った地形のため地価が高い。これに対して西部は平野が多く、地価水準は比較的低いものの開発余地が大きい。東部は大手企業が多いほか、エリアによっては観光という独特のニーズがある。

 海岸線が長いことも静岡県の特徴である。東日本大震災以降は、海岸線に近い土地が売れにくくなったり、値段が下がるといった影響が出ている。一方で、一部では内陸に移転するなどの動きが見られ、不動産ニーズは地域ごとに様々である。

 静岡県は温暖で住みやすいといった特徴があり昔から企業進出が盛んだが、近年は進出よりも海外移転といった縮小が目立つ。土地取得費や設備投資への助成、雇用など自治体によって企業誘致の姿勢も異なる。一部には、複数の拠点をまとめるかたちでの集約移転もあり、こういった動きに対応した住宅ニーズも少なくない。

 地元の仲介業者からは住宅取引は低調といった声も聞かれるものの、ディベロッパーの視点から見ると、底堅い住宅取得ニーズに消費増税の駆け込みも加わり販売はまずまずといった状況にある。

総合まちづくり企業へ

 静岡県は、第二東名高速道路のIC周辺に物流施設を誘致する計画を持っている。ただ、既存の東名高速道路周辺でも調整区域などの規制によって開発できない土地が残っている。第二東名は山間部であり、こういったエリアを開発することも必要だが、既存市街地に近いエリアの土地有効活用も必要なのではないか。

 これからの住宅・不動産業界は、従来型の〝不動産屋〟ではなく〝総合的なコンサルタント〟としての役割が重要になる。所得税や法人税、相続税といった知識を持ってトータルで提案することが求められる。

 使用価値の低下している土地であれば、補助金や許認可などを含めてメガソーラー発電所にするといった工夫もできる。住宅事業では優良宅地、優良建築物や中心市街地活性化の制度を活用するといった手法が考えられる。我々は、〝総合まちづくり企業〟としての活躍が期待される。スマートシティやスマートタウンなど、会員各社が得意とする部分を生かして、それぞれ関われる部分がある。行政との連携を前提に、コンパクトシティへの対応も我々の役割となる。

創意工夫で逆境に対応

 当協会は、静岡県と連携して、官から民へ流れのなかで、将来的に公営住宅を民間が供給することも考えており、既に県営住宅等の管理あっせんを検討している。また、防犯面では静岡県防犯協会連合会が認定団体となっている「防犯モデルマンション」の申請受付業務等を委託されており、今後は、医療や福祉との連携も検討したい。

 建設職人の不足の影響は静岡でも顕著だ。特に鉄筋工、型枠工が不足している。震災復興による一時的なものではなく、公共事業が減らされてきたための構造的な問題でもある。

 ただ、創意工夫とアイデアによって乗り切れるのではないか。ロボットがすしを握り、焼き鳥を焼くことは外食産業では既に一般的。マンションならハーフPC工法など工場生産比率を高める余地はある。

 当協会の会員や賛助会員には建設や資材関連会社などが傘下にあり、うまく連携することで乗り切れるのではないか。

 会員に向けて国や県などの情報を提供すると共に必要に応じて専門家を招いて講習会を開催している。当協会が持つ静岡県や市町村、全住協の国政とのパイプを生かして、情報提供を通じた会員支援を強化していく。

 よしだ・たつし=ヨシコン(株)代表取締役社長。2000年5月静岡県都市開発協会監事、06年5月同協会副理事長、08年5月同協会理事長、06年6月住協連(現全住協)理事。静岡県出身。62歳。

静岡県都市開発協会

 1964(昭和39)年に社団法人静岡県宅地造成協会として設立。宅地供給事業を主体とする会員で構成していたが、分譲マンションや戸建住宅の供給をする会員が増加するなど事業分野の拡大に対応して1986(昭和61)社団法人静岡県都市開発協会に名称変更。2012(平成24)年に一般社団法人移行認可。

 住宅・宅地に関する各種調査研究、「TOUKAI-0プロジェクト」「防犯街づくり」など静岡県と連携した事業のほか、県や市町に対する提言・要望、会員向け研修会を開催。一般消費者向けにも研修会や静岡県住まい博などを通じて情報提供している。

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