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スタンダード会員限定中古流通 インフィル業界の戦略 〈2〉 中古再販リフォームの魅力付け 高スペック設備を採用

住宅新報 2013年11月12日 号 7面

連載: 中古流通 インフィル業界の戦略

売買・賃貸仲介
  • トクラスのキッチン「Berry」。アクリル樹脂が原料の人造大理石製で、豊富な色から選べる

    1 / 2トクラスのキッチン「Berry」。アクリル樹脂が原料の人造大理石製で、豊富な色から選べる

  • 鍋ぶたやレシピ本を立て掛けられる、移動式ハンガー

    2 / 2鍋ぶたやレシピ本を立て掛けられる、移動式ハンガー

 モデルルームで見慣れたキッチンの光景と、ひと味違う。マットな質感の真っ白いカウンター。楕円形のシンクを、ライムグリーンが彩る。鮮やかな色合いに目が引きつけられるが、不思議と派手さは感じられない。「部屋全体のイメージを決めるのは建具と床の色。それが整っていれば、原色系を差し色に使っても違和感がないのです」。スターマイカ(東京都港区)販売企画部主任の関美穂さんが、こちらが抱いた印象の背景を説明する。

ライムグリーンのシンク

 同社が1棟まるごとリノベーションを実施した、神奈川県川崎市のマンション『ステラガーデン溝の口』のモデル住戸での一コマだ。専有面積は70m2、販売価格は3280万円。女性にとっての使い勝手を重視したデザインと間取りに仕上げている。

 冒頭のキッチンは、トクラス(旧ヤマハリビングテック、10月1日付で社名変更)のシリーズ商品『Berry』。採用の決め手を聞くと、関さんはまず「豊富なバリエーションから色が選べる」と答えた。

 ステンレス製が主流を占める中、トクラスでは40年ほど前から一貫して、人造大理石のキッチンを製造し続けている。着色が可能になり、「明るい雰囲気になる」(トクラス)ことが理由の1つだという。カウンターとシンクは6種類、塗装仕上げの扉部分は114種類もの色数を用意。スターマイカのモデル住戸では、家具や壁クロスの一部に緑系の色を取り入れており、キッチンもそれに合わせた。

 また、「手入れのしやすさもポイントだった」と関さん。採用したタイプは、カウンターが立ち上がり部分も含めて一体的に成型されているため継ぎ目がなく、汚れがたまりにくい設計だ。同じく機能性の観点から、鍋ぶたやレシピ本を立てるスタンド式ハンガーが備わっている点も、評価したという。なお、トクラスではこれらの仕組みを『ハイバックカウンター』と総称し、12年のグッドデザイン賞を受賞している。

 スターマイカが主力とする中古マンション再販事業では、リノベーションの〝出来〟が重要になる。その構成要素の1つである設備、中でもキッチンにこだわり、「他の現場で導入しているものより価格が高い」(関さん)が、Berryを採用したという。参考までに定価を記すと、基本プランで71万9500円(間口2550ミリの標準サイズ)である。

 販売開始は10月中旬。1週目に、見学した30代の夫婦が購入を即決した。

リフォームでは〝主役〟に

 「リフォームで初めて、設備が〝主役〟になれる状況が生まれた」。トクラスの広告企画センターの鈴木優子さんが、リフォームと設備の相性の良さを指摘する。「新築注文住宅の場合、設備は家全体の一部に過ぎないが、リフォームは内装に集中できる。その中で、設備にとことんこだわる方もいる」(鈴木さん)

 市場の拡大予測に基づき、同社は99年度からリフォーム分野の強化に着手した。サイズの種類を増やしたり、既存の構造部材や配管に合わせて設置可能な商材を取りそろえたりしてきたという。これと並行して、販路の拡大も推進。鈴木さんは、「資材メーカーに一括納入するのが新築のスタイル。これに対してリフォームでは、地場の工務店や管材系業者のほか、それらの事業者に取り次ぐ販売店とも個別に関係を結んできた」と説明する。最近は、部材と施工をパッケージで販売する家電メーカーも取引先の1つだ。これらの施策が実を結び、同社のリフォーム分野の比率は現在、全体の4割を占めるまでに成長した。

 ただし、ここで言うリフォームは基本的に『居住中の自宅の改装』を指す。前出のスターマイカのような中古再販を含む、『中古住宅取得と合わせたリフォーム』について、取り立てて区別してはいないという。当面は「リフォームを大きな括りで捉え、新築と同じ割合にまで高める」(同)方針だが、「市場規模の推移を見つつ、中古流通分野へのアプローチも検討したい」(同)と話す。

 鍵を握るのは、そこでもやはり〝販路〟だ。(鹿島香子)

 

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