藤澤雅義の賃貸管理 現場中継 (18) PM会社の2つの担当制 基本は「業務」で実践を 全体把握する「物件」の活用も
住宅新報 2013年11月12日 号 6面
連載: 藤澤雅義の賃貸管理 現場中継
※今回は、オーナーズエージェント統括部長の先原秀和が担当します。
賃貸管理は、リーシング・修繕等の建物管理・入居者対応・退去対応・出納業務など、実に様々な業務が存在する。
この多岐にわたる各業務を、どのように役割分担するかはPM会社の永遠のテーマとも言えるが、その分担のパターンは大きく次の2つに分けられる。
(1)物件担当制(物件毎に担当を決め、その物件についての全業務を行う)(2)業務担当制(業務毎に担当を決め、その業務については全物件を扱う)
業務担当制は、担当がその任された特定の業務に専念できるため、業務効率という意味では物件担当制よりも優れており、その業務のスペシャリストが育ちやすいといった面も持ち合わせている。半面、担当の責任範囲もその業務内に限定され、物件の運営全体にまで意識が回らないという欠点がある。
一方の物件担当制では、担当が様々な業務を一貫して行うことになり、管理業務全体を知っている人材が育つことにはなるが、業務担当制よりも各担当の業務負荷は高くなる。担当の力量によって管理全体の良しあしが左右されてしまうリスクも生まれる。しかし、その物件全体の運用状況が把握しやすく、物件への意識や愛着がわきやすいというメリットがある。
最近、幸いにも米国のPM会社を視察させてもらう機会があったのだが、各社ともこの物件担当制で業務が行われていて、担当(プロパティ・マネージャー)が物件全体のことをよく分かっていた。物件毎にリーシング戦略が異なるなど、物件に合わせた管理運営がなされていたという印象も強い。実際には、すべての業務を担当自らがやるのではなく、担当の指示のもと、現地管理人(オンサイト・マネージャー)などが業務サポートをする体制づくりがなされていた。
確かに、米国での物件担当制は、1棟で100戸を超えるなど、規模の大きい物件が多いという市場があればこそであり、小規模物件が大半の日本において同様の仕組みは難しいかもしれない。しかし、物件全体の運用状況を見る役割をもった担当がいる仕組みは、プロパティマネジメントにおいてはやはり必要なものであり、管理の差別化という点でも効果的だ。
実務全体は、やはり効率の良い業務担当制を基本としながらも、直接の実務はしないが物件の運用全体を意識する物件責任者を配置するなど、業務担当制と物件担当制を組み合わせて、業務の効率化と物件毎の管理運営への意識付けを上手に両立してもらいたい。
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藤澤:「物件担当制」か「業務担当制」のどちらを採用するかは管理会社にとって、永遠の課題だ。日本の場合、業務担当制が主となると思うが物件担当制を採用する会社も意外に多い。物件担当制は魅力的であり本来そうあるべきかもしれないが、落とし穴も多いシステムであることに注意されたい。

























