家庭状況別の省エネ度格付けなど HEMSの可能性模索 大京アステージの管理マンション 横浜で実証実験中
住宅新報 2013年9月10日 号 5面

デモ体験スペースで見られる実証実験の見える化表示例
大京グループでマンション管理事業などを行う大京アステージ(東京都渋谷区)は、横浜市で同社が管理する既存マンション4棟約130世帯でHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を活用した快適な節電行動を促す見える化の方法や、HEMSが把握するエネルギー利用情報を活用した効果的なサービスなどを模索する実証実験を行っている。同社は8月、実験参加者以外もその内容を体験できるよう横浜市のNTTショールーム内にデモスペースを設けた。具体的にどういった見える化やサービス提供が行われているのか。同スペースを訪ねた。
1時間単位で棒グラフが2本ずつ並ぶ。実証実験のデモ画面だ(写真)。棒グラフは電気使用量を示す。青は自宅、赤は同じようなスタイルをもつ家庭ごとに分けられたグループの平均値を表す。グループは世帯人数や就業人数を基に分けた。平均値との比較は家庭全体のほか各エアコンごとなどでも表示する。
見える化では、独自の解析に基づいて省エネ度を偏差値で示すランキング表示も行っている。大京アステージライフサービス事業部の中村宇裕担当課長は、「単なる見える化では省エネは進まない。より快適に楽しく節電行動していただこうと面白い見せ方を考えた」と話す。
同実験では、エネルギー消費状況に応じたサービスの告知も特徴だ。例えば、電力消費状況の分析で、エアコンの効率が落ちていると判断されればクリーニングサービスや、より効率の良いエアコンが紹介される。また、遊園地やレストランのクーポンを発行することで節電につなげる外出誘導サービスの効果も検証している。
実験は14年度までの2年間。14年度の実験に向けては、「健康・美容」をテーマにした新たなサービス提供を検討している。
プラットホーム事業構想も
同実験は経済産業省の補助を受け、横浜市が進める横浜スマートシティプロジェクト(YSCP・別掲)の一環として行っているもの。12年度の準備期間を経て、今年4月にスタートした。どのような見える化やサービスが省エネ促進へ効果的かを検証している。大京アステージとしては、将来的な居住者向けのプラットホームビジネスの可能性を模索する狙いもある。
●横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)
大規模な再生可能エネルギーの導入や地域レベルでのエネルギーマネジメントシステムの確立などを目指す経済産業省の次世代エネルギー・社会システム実証地域の1つに選定されてスタートしたプロジェクト。10年度から5カ年の計画で進められている。
YSCPの目玉の1つに、HEMSを通じて、電力需給がひっ迫する季節・時間帯に節電要請を行い、それに応じるとインセンティブを与えるデマンドレスポンス実験がある。快適な市民生活を維持しつつ、節電への協力を促せる柔軟な電気料金体系創設への貢献などが目的だ。今年度からHEMSが導入された約1900世帯を対象にスタートしており、7~9月のうち14日程度、前日の予想最高気温に基づき電力需給のひっ迫が予想される日の13~16時に行っている。冬は12~1月の17~20時で同様の実験を行う計画だ。夏の実証実験の結果は、早ければ冬季実証実験が行われる前にも公表する見通し。
また、同様のデマンドレスポンス実験は14年度も行う方針。実施方法については、「今年度の実証実験結果を踏まえて検討する」(横浜市温暖化対策統括本部プロジェクト推進課)と話している。





















