不動産取引現場での意外な誤解 売買編(60) 法人格のない団体も消費者契約法の事業者になるのか?
住宅新報 2013年7月30日 号 11面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解
Q 消費者契約法の適用のある「事業者」には法人も含まれますが、法人格のない団体はどうなるのでしょうか。
A 法人格のない団体であっても、団体としての実体があれば、「事業者」に含まれます。なぜならば、消費者契約法は、「法人その他の団体」をすべて「事業者」と定めているからです。したがって、その「団体」の範囲は相当広がります。
Q そうなりますと、同じ「団体」でもマンションの管理組合などは当然のこととして、不動産コンサルティングマスターの団体や各種の親睦団体なども、同法の適用があるということになりますね。
A その通りです。つまり法は、組合的なまとまりがあるとか、営利を目的にしているとか、法人としての登記があるなどということは一切関係がなく、要は、社会的にまとまりのある1つの団体を構成していると認められるものであれば、すべてこれを「事業者」とみなしているわけです。したがって、一般の公益法人はもとより、国や地方公共団体であってもすべて「事業者」ということになります。
Q 具体的にどのような状況にある団体をイメージしたらよいでしょうか。
A 例えば、その団体が会費を集め、一定のルールのもとに会(団体)を運営しているといえるような状況にあれば、「それなりの団体を構成している」といえるでしょう。
Q ところで、マンションの管理組合というのは、法律で自動的に結成されると聞きましたが、本当ですか。
A 本当です。しかし、その法律の規定と実際の運営とは別の問題ですから、すべてが法律に基づいて運営されるというわけではありません。
Q このマンション管理組合のような変則的な団体でも「事業者」として消費者契約の対象になったり、先程来の任意団体や親睦団体の場合も「事業者」とされるというのも何か変な感じがしますね。
A そうですね。しかし、「事業者(団体)」と「消費者」間の契約ということになれば、一般の消費者よりは団体の方が取引における知識や情報の量が多く、必ずしも対等な関係の契約とはいえないと思いますので、やむを得ないのではないでしょうか。
渡邊不動産取引法実務研究所
代表 渡邊 秀男
























