紙上ブログ 不動産屋の独り言207 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 「当社の遺失利益は誰が責任を」 踏んだり蹴ったりの契約
住宅新報 2013年6月25日 号 7面
島根県から上京してきて当社の管理物件に入居した祖母と孫娘の2人のせいで、大変なトラブルに巻き込まれた。
孫娘は高校1年で、早くに両親を病気で亡くしており、身寄りは祖母のみ。都内の劇団に所属するため上京したもの。
親が残した生命保険金があるが、生活は楽ではない。契約後、私は2人を食事に招待して激励したり、PCをあげたり、孤独死した知人が残した家財道具や電気製品をそっくり届けるべく連絡したりしていた。
残念なことに、既に買い揃えてしまっていたので役立ててもらうことはできなかったが、私なりに気遣ってもいた。
今にして思えば
紹介してきたのは都内の業者で、案内もその業者が都内から電車とタクシーを使ってしてくれたのだが、「契約書は当社の書式を使わせて頂きたい」と要求してきた。断ると、「それではなかったことに」と言う。今にして思えばその時に、「だったらお断りします」と言ってしまえば良かったのだろうが、早く決めたいのはやまやまだったから受けてしまった。
入居して数カ月後、家主さんから電話があった。「犬は1匹と聞いていたけど2匹もいるし、家族が帰るまで寂しいのか、夜遅くまで鳴いているのでご近所にも迷惑になる。何とかならないか」とのこと。私も犬は1匹と聞いていたが、だからと言って即契約解除、というワケにはいかない。段取りを踏まなければならないものである。
トラブル続き
祖母に直接会って強く注意したのだが、犬の泣き声は止まず、家主さんはノイローゼになる。と同時に、家主さんの娘(精神疾患を有している)が様々な嫌がらせをするようになる。気持ちは分かるが、ほとんど不法行為である。警察にも「あの2人は暴力団だからすぐ逮捕しろ」と訴え、注意をする私に、「その場所で商売ができなくしてやる」と言い出して、私の忠告には耳を貸さない。
入居者の方にも落ち度はあるが、それは全く認めようとせず「訴えてやる」と息巻き、矛先は私に向かってきた。「ここを案内してくれた不動産屋さんはとってもいい人だったけど……」と言い出す始末。当然、管理を切られたが、誰も責任は取らない。
(坂口有吉不動産・社長)























