中堅の技 (7) 全住協・優良事業表彰を巡る エコヴィレッジ朝霞中央公園 小規模で生む共用空間 リブラン
住宅新報 2013年6月18日 号 5面

エコヴィレッジ朝霞中央公園
「小さい物件でも、コミュニティ形成を促すことができる共用空間の作り方がある」
エコヴィレッジ朝霞中央公園の企画を担当したリブラン(東京都板橋区)事業企画部の宮本隆雄さんは、こう話す。スケールメリットを考えれば当然、大規模物件ほど充実した共用施設は作りやすい。ただ、大きい土地に建てない限り、良い共用空間が作れないかと問われれば、それは違うという思いがあったという。
環境配慮になる菜園
1354m2の敷地に立つ小規模物件として採用すべき共用空間は何か。設計事務所の知恵を借りながら、色々な案を模索した。そこで出てきたのが、エントランスホールをマンション全体のリビング・ダイニングと位置付ける形だ。風通しの良い窓を用意するなど、〝居室〟としての機能を確保した。併せて、エントランスホールの奥には、共用キッチンが備え付けられたラウンジを設けた。
2階部分にも特徴的な共用空間がある。屋上菜園だ。駐車場の屋根面に当たる場所。夏場、日に照らされて発生した熱気が2階住戸に入ってしまうといった悪影響を防ぐ側面も持つ。外階段でラウンジなどとつながっており、菜園で収穫した野菜は共用キッチンで調理できるよう企画している。
住戸内は、廊下側とバルコニー側をつなぐ風の通る道が2本以上になるよう計画した。バルコニーには、室内への直射日光を遮蔽する緑のカーテンが育成できる専用花台を設置。珪藻(けいそう)土といった自然素材の採用も特徴と言える。これらは、同社がエコミックスデザインとして10年以上続けてきた、自然の力を利用して快適に過ごす工夫だ。
誘導から自主活動へ
コミュニティ形成を促す仕掛けも、利用されなくては意味がない。「しっかりと使えるよう誘導していくのは、作ったものの責任」(宮本さん)だ。
物件引き渡し後の12年夏には、菜園開きを開催した。同冬には収穫祭。夏に植えたものを収穫すると同時に、新たな野菜を植えた。
間もなく、基本的には居住者たちの自主的な活動に引き継ぐ、入居2年目を迎える。宮本さんは、「居住者の方々は、自主的に何かをやりたいと考える方向に向かっていると感じる」と話す。
今年5月、宮本さんが緑のカーテンの講習会のため、マンションに足を運んだ時、菜園では居住者が提案した作物を植える準備が進められていたという。 (葭本 隆太)
エコヴィレッジ朝霞中央公園 受賞部門=中高層分譲住宅部門(小規模)▽所在地=埼玉県朝霞市▽総戸数=38戸▽階数=6階建て▽住戸床面積=66~70m2▽完成=12年6月





















