ビル会社、ベンチャーを支援 大手も中堅も 三菱地所「成長戦略センタープロジェクト」 10年間で最大1万坪供給 日総ビルディング 小規模オフィスを積極化 成長に応じて3タイプ
住宅新報 2013年6月4日 号 4面
三菱地所はこのほど、海外企業や世界展開を目指す国内ベンチャー企業の事業支援・誘致を行う「成長戦略センタープロジェクト」を本格始動すると発表した。同プロジェクトは、ビジネスの中心地である東京・丸の内の新たな顧客創出、価値創造を目的として実施しているもの。ベンチャーキャピタルファンドへ出資するほか、成長力がある企業を事業支援するためのオフィスを最大1万坪供給していく方針だ。
ベンチャーキャピタルファンドの「Sozo Ventures-True Bridge Fund」に出資する。日本での事業拡大が期待できるシリコンバレーの先進ベンチャー企業の情報を収集し、丸の内エリアの企業集積を進める。
また、こうしたベンチャー企業の活動の場として使えるように、同プロジェクトの実施拠点である「日本創生ビレッジ」を拡充する計画。194坪の空間に小割りサービスオフィスとラウンジスペースを設ける。今秋にもオープンする予定だ。更に16年度竣工予定の大手町連鎖型都市再生プロジェクト第3次事業では、海外事業のビジネス開発支援と誘致をワンストップで行う「海外企業等支援センター(仮称)」を整備するなど、今後10年間で最大1万坪の事業支援を行うオフィスを供給していく。
同社では、丸の内再構築を進める中で、今後10年間の街ブランド戦略として「街のグローバル化」「ビジネス機能の拡充」「イノベーションプラットフォームの構築」を掲げている。「イノベーションプラットフォームの構築」の活動として、00年にベンチャー企業支援を行う丸の内フロンティアを発足し、07年には「日本創生ビレッジ」を開設した。12年10月には専門部署として街ブランド企画部内に「東京ビジネス開発支援室」を設置している。プロジェクトの支援企業は26社(うち海外17社)。
都内や横浜を中心に約20棟のオフィスビルの開発・運営を手がける日総ビルディング(東京都港区、大西紀男社長)は、首都圏で小規模オフィス開発を積極化していく。従来からの同社運営の中規模ビル「日総ナンバービル」(20坪以上)と、昨年からスタートした小規模企業向けの「エキスパートオフィス」(5~20坪)に加えて、今後は創業期向けの「アドバンスオフィス(仮称)」(1~5坪)を立ち上げる。企業の成長段階に合わせた3タイプのオフィスをそろえていく。
「アドバンスオフィス」は、個人や起業間もないベンチャー企業を対象とした1~3人用。完全個室やセミ個室、ブースで仕切られたタイプなどデスク単位で貸し出す。第1弾物件として、7月に東京・渋谷駅南口の既存ビルのワンフロア(85坪)を使ってオープンする。渋谷や青山、赤坂、六本木、新宿、横浜などのエリアで今後3年間で10カ所を整備する計画だ。
合わせてベンチャー企業支援サービスも提供していく。テナント企業のビジネスにつなげるために、交流や協業の場を用意する。また、セミナーや講演会といったイベントを企画したり、会計・法務のパッケージサービスも提供していく方針だ。
同社では、若年層の起業や大企業からの独立が増加している中、グレードの高い小規模オフィススペースが不足していると判断。07年から同社ナンバービル内で小規模オフィスフロアの営業を開始し、12年からは士業などの小規模精鋭企業向けに、コンパクトながら大規模ビル並みのセキュリティやアメニティをそろえた「エキスパートオフィス」を虎ノ門と新横浜で開設している。来年夏には、渋谷2丁目にも「エキスパート」を主体とした新築ビルを竣工する予定だ。























