LPガスで災害対応 免震賃貸マンションを着工 スターツCAMと岩谷産業
住宅新報 2013年5月7日 号 7面
スターツグループで土地有効活用事業を行っているスターツCAM(東京都中央区)は4月25日、防災賃貸マンション(免震)を受注、着工した。竣工予定は14年3月。
今回のプロジェクトは産業ガス事業会社の岩谷産業(大阪市中央区)との共同事業で、「LPガス災害対応型エネルギーシステム」を備えた、免震の賃貸マンションを東京都江戸川区に建設するもの。スターツCAMは1999年に免震マンション第1号を受注、13年4月現在252棟の免震建物を受注している。
岩谷産業は、LPガス、天然ガス、水素エネルギーなど総合エネルギー事業者大手で、LPガス非常用発電機など災害対応に優れたノウハウを有する会社。都市ガスと異なり、LPガスは軒下在庫があるため、災害発生後に早期にガスを利用できる。免震マンションに、ガスバルク貯槽(大容量のガスを貯めることができる施設)とガス発電機を設置することで、平時には各住戸に給湯、暖房設備などにLPガスを用い、家庭用電源やエレベーターなどの共用施設には電力会社からの購入電力を、緊急時には、家庭用LPガス発電機と共用部用LPガス発電機を使うことで、エネルギーの確保を可能にする。
スターツCAMでは岩谷産業との共同事業について、「我が社は免震マンションを、なるべく設置費用を抑える形で多く建設してきた。ただ、建物が大丈夫でも、ライフラインが寸断されては安心して暮らすことはできない。LPガスという災害に強い分散型エネルギーにより、より安心、安全なマンションをオーナーに提案していきたい」(同社設計部千坂真吾統括部長)と言う。
岩谷産業は、「LPガスというと、危険なイメージがあるが、実際には都市ガスと同程度の事故しか起きていない。07年の新潟県中越沖地震では、都市ガスが復旧するのに1カ月以上掛かったのに対し、LPガスは1週間で完全復旧した。ぜひ、災害時だけでなく、常用でも使用していただき、その安全性と安心感を体験してほしい」(同社生活総合サービス部駒嶺優茂礼部長)と更なる普及に期待を寄せていた。
スターツCAMでは、「免震は確かに建設費が高くなるが、その分付加価値が付く。家賃に転嫁できるし、入居者も『保険料のようなもの』と納得いただいている。それは東日本大震災でも実感できたようだ」(営業推進室豊竹浩人氏)。
防災賃貸マンションには、井戸を設置し、緊急時にはかまどになるベンチ、トイレになるマンホールなど、防災設備も充実。「井戸や、岩谷産業さんの炊き出しステーションなどは、地域コミュニティの拠点にもなる。オーナーの中には地域貢献という点でも評価をいただいており、提案しやすくなる」(同氏)という。

























