買取再販で〝再創造〟 カーマトラスト代表取締役・金井高弘氏に聞く 土地の資産価値を加味 エンド富裕層から多数引き合い
住宅新報 2013年4月2日 号 3面

金井代表取締役
――会社の成り立ちは。
不動産業をずっとやってきて、これまでも今と同様、物件を買い取り、リニューアルし付加価値を付けて販売する事業や建て売りなどを行ってきた。3年半前、独立してこの会社を立ち上げた。
――独立したきっかけは。
実は独立の1年前に家内を亡くした。また、当時はリーマンショックで前の会社でもリストラが厳しくなった。さすがに落ち込んだが、そんな時、どこに行っても活躍できる若手の有能な社員が、自分に付いていくと言ってくれた。その言葉に促されて、会社を立ち上げた。
――リーマンショックの最中とは、まさに荒海に出て行くような感じだが、不安はなかったのか。
もちろん、資金調達の面などで不安はあった。事業モデルもあまり資金を必要としない仲介業ではなく、買い取りだから余計にそう思った。そんな中、金融機関で2行ほどが独立したらぜひ声を掛けてくれと言ってくれた。正直、本当なのかと思ったが、実際1年目から取引ができた。また、幸いにも経験豊富なベテラン財務担当者が加わって、潤沢な資金調達が可能になった。順調に進めることができている。
――社の経営方針は。
今、取り組んでいるリニューアル、業界的には再生と言うことが多いが、我々は「再創造」と呼んでいる。単純に直すだけではなく、その価値自体をもう一度見直すのが我が社が進めている事業であり、方針だ。例えば、数年前にオフィスビルだった物件があったが、今、人の流れが変わったり、商圏が変わったりして、完全に住居系になっている所がある。
ビルをビルのまま直すのではなく、それを住居系に変えていく。逆に住居系だったものを店舗に変えていく。こうした、価値自体から再創造させてもらって高収益を上げられるものに変換し、最終的にはエンドの投資家に安心して買ってもらえるものを提供していこう、と考えている。
――心掛けていることは。
「木を見て森を見ず」の反対で、ある建物自体を見るのではなくて、その地域とか沿道の繁華性などを含めて、買う物件の価値を再創造することで、今後もこの方向でやっていく。こうした事例を積み上げて、業界で確たる存在にしていきたい。
――最近の事例は。
東京の恵比寿で、敷地面積200坪のマンション1棟を手に入れた。現在は賃貸マンションで、大使館など外国の方が居住している。1部屋170m2といった広い物件だ。現在6室中2室が空室なので、より賃料が上がるようリフォームを掛けて、空室を埋めて、土地の資産価値もあるので、富裕層にアピールして高く売っていきたい。
――仕入れている物件は敷地が広く、優良なものが多いようだが。
そこがウチの売りだ。土地の資産価値があってこそ、エンドの富裕層である投資家に興味を持たれる。逆にいえば、仕入れはその分大変なのだが。これまでは順調に仕入れができている。
――見ていると仕入れ物件も様々だ。
そうだ。例えば、中目黒のマンション物件をシェアハウスとしてリニューアルしたことがある。運営会社の管理状況などをつぶさに見て、かなり行き届いており、これなら安心だということで貸した。おかげで、満室状態でクレームもなく、気に入られてすぐに買われた。時代を見て、業態を考えることが必要だと思う。
――言うは易く、行うは難い。うまくやっているのは。
趣味もそれほどなく、今はゴルフを月1、2回やるくらい。後は、よく街を歩いている。すると、ああ、ここはずっと空き店舗だなあとか、空室だらけのビル街だったが、新しい店舗ができて人の流れが変わり、若い人が来るようになった。それなら住居系に転換できるのでは、など常に考える癖があるので、それが奏功しているのかもしれない。職業病だが。
――今後の目標は。
今は、リニューアルなど設計会社と提携して行っている。今後、建築関係の人間を採用し、自前で行っていくことも検討している。更に、販売事例を積み上げて、様々な「再創造」に取り組んでいきたい。
カーマトラストの概要=所在地、東京都港区▽資本金、1000万円▽事業内容、不動産の売買・賃貸・仲介・管理、不動産の保有及び運用、コンサルティング業務など





















