紙上ブログ 悪徳不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 第118回 坂口有吉
住宅新報 2011年9月20日 号 5面
欲をかかなきゃ良かったものを 名義変更にも事務手数料
これはうちの管理物件の入居者と塗装業者にまつわるお話。
ある貸家が外装のリフォームをすることになった。塗装業者も決まり、詳細な打ち合わせも済んで、作業に入るべく隣近所と入居者の元にあいさつに行くと、入居者からこんな話が出たという。
「この辺は道路に駐車してると近所から直ぐに通報されて駐車違反を取られるけど、作業中の車、どうします?」と。その貸家には駐車場が付いているが、入居者は車を所有しておらず、駐車場は常に空いたままになっている。家賃は建物が古いこともあって駐車場代込みで7万8000円。駐車場を使わなくても破格に安い。たまに家族や友人が車で訪問をした際には、駐車場の心配をしないで済むから助かってもいることだろう。
駐車代!?
なので、たいていの入居者ならそういう場合には、塗装業者に「ここの駐車場は普段は使用してないので、もし必要ならご遠慮なくお使いください」と言うものだろう。自分から言わなくても、業者から聞かれたらそう言うものだと思う。だが、その入居者は違っていた。一方で「近所にはチクる人がいる」と言っておいて、暗に「払うものを払ってくれたら、うちの駐車場を使っていいよ」と言っているのだ。
業者から相談があったので、「でしたら、近隣の相場の半月分、4000円を払う、ということで私が話をつけましょうか?」と言い、了解を取って入居者に話すと、当然に快諾された。
業者にバック
で、数カ月後、入居者から電話があり「ここの契約者名義を女房に換えてもらうことって出来ますか?」とのこと。どうやら奥さんの会社からは住宅手当が出るらしい。いつもならそういう事務手続きは入居者へのサービスの一環ということで無償でやっているのだが、「事務手数料が1万掛かりますが、よろしいですか?」と言うことにした。
現実にも若干の手間や経費が掛かるのだし、法律的に決まっているものでもないが、もらったとしても問題はないことだろう。後で塗装業者に4000円を渡し、残りを当社でいただいた。あの時、塗装業者に無償で快く駐車場を提供してくれていたなら、1万円も請求されなかったものを、欲をかくからいけない。
(坂口有吉不動産・社長)























