紙上ブログ 悪徳不動産屋の独り言 190 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 入居者同士の幸せな関係 まるでおばあちゃんと孫のよう
住宅新報 2013年2月26日 号 5面
うちの管理物件の2階に独身の若い女性が入居している。
とても真面目なOLさんで、当社には特に連絡はなかったが、1年前に転職していたようだ。その娘さんの真下の部屋には高齢だが元気なご婦人が1人で暮らしている。
一緒に夕飯
先日、娘さんが更新契約に来てくれた際、こんな話が出た。
転職した際には一時的に収入が無くなったので生活は苦しくなっていたのだが、ちょうどその頃から、階下の老婦人から「夕食を食べに来ない?」とのお誘いをよく受けるようになったとか。それは彼女の生活苦を見抜いたとかでなく、たまたまだったようだ。彼女は几帳面で少し神経質なくらいの性格だが、階下の老婦人に対しては何の警戒心もなく、お邪魔し、それを老婦人も喜んでくれたのであろう。それからけっこう頻繁に呼ばれるようになって、今もよく招かれているらしい。
おそらくは老婦人も寂しかったのであろう、孫のように思っていたのかも知れない。娘さんも不義理するような人ではないので、それなりに老婦人を気遣っていたであろうことは聞かなくても分かる。
他のアパートではそういう話は聞かない。都会の人間はあえて同じアパートや近隣の人とは付き合いを避けていたりするが、防犯上の観点からも、深入りしない程度に近所付き合いをしたほうが良いもの。逆にお年寄りの安否もそういう付き合いの中で確認できたりするから。それは家主さんや管理会社にとっても有り難い話である。
遠慮は無用
更新の際、娘さんからこんな話も出た。「うちのエアコンも1階のNさんの部屋のエアコンも具合が悪いのですが、見ていただけますか?」とのこと。
娘さんが「近々更新で不動産屋に行く」とNさんに話すと、「あなたからうちの分も頼んでもらえないかなあ」と頼まれたようだ。具合が悪くなったのは昨年の夏ごろからとのことだが我慢していたようだ。
ま、そういう人たちである。もちろん、遠慮する必要など全くないし、何より、契約上もエアコン付きの約定で貸している。すぐに家主さんに連絡して2部屋とも交換してもらうことになった。お婆ちゃんと孫娘のような2人の良好な関係は今後も続くだろう。
(坂口有吉不動産・社長)























