新春マンション商戦 景気回復期待で来場増 金利先高感が今後影響か
住宅新報 2013年2月5日 号 9面
新春マンション商戦が、順調なスタートを切った。販売戸数や契約率の低下など、市況の低迷が指摘されていた12年の後半から一転、新年のモデルルーム来場者数は、増加・好調といった声がマンションディベロッパーから聞かれている。この背景には、昨年末の政権交代後に円安や株高が進んだことによる、消費者の景気回復期待感があるようだ。
「12年比110%と集客ボリュームは増加している」(三井不動産レジデンシャル)、「12年12月と比較して、13年1月(20日時点)は1.35倍の来場者が取れている」(三菱地所レジデンス)、「3連休(1月12~14日)は1日が雪だったが、昨年の3連休を上回る来場者があった」(大京)――。
1月に入ってからの新築マンションモデルルーム来場者動向について、ディベロッパーからはこうした声が聞かれた。首都圏市場全体としても、おおむね同様の傾向が見られるようで、トータルブレインの久光龍彦社長は、「中堅企業の供給物件も含めて、来場者動向は全体的に良いようだ」と話す。
中でも、一次取得者層向けファミリー物件が好調という声は多い。三菱地所レジデンスは「ザ・パークハウス津田沼奏の杜テラス」など、大京は「グランアルト越谷レイクタウン」などと、ファミリー向けを好調事例に挙げる。大手販売会社の長谷工アーベストは「特に、一次取得者が買いやすい価格(3000万円台まで)で広さのある物件は順調」と話す。
12年の首都圏市場は前半、好調に推移していたものの、後半は失速した。不動産経済研究所の調査によると、9月以降の販売戸数は4カ月連続で前年割れだった。契約率も上期の77.6%に対して、下期は75.2%と低迷した。
こうした昨年後半から新年にかけて何が変わったのか。背景として、ディベロッパーなどから特に聞かれたのが、「景気回復への期待感」だ。
昨年末の政権交替後、円安や株高の動きが見られたことから、好転のムードが出ているようだ。不動産経済研究所は、「昨年末から消費者の動きが少しずつ出ているようで、明るい兆しがある」と話す。
では、今後の販売動向は、どうなるか。それを左右する要素として、注目されるのが14年4月に控える消費増税だ。ただし現状について、事業者からは、「いずれ購入するなら負担が少ないうちにと、増税前の購入を検討している消費者がいる」という声がある一方、「来場者が消費増税を見据えて増えているという状況はない。駆け込みの気配は見られない」という声も多い。また、トータルブレインの久光社長は、「軽減措置がおおむねね固まったことで様子見していた層は動くだろう。ただ、所得の低下で購入に慎重になっていることに加えて、一定の軽減措置が取られるため、駆け込み需要は生まれないのではないか」という見方だ。
一方で、販売動向に影響を及ぼす要素がもう1つある。金利だ。長谷工アーベストは、新春の動向について、「購入マインドの高まりが感じられる」と言及したうえで、その要因の1つとして、「金利の先高感」を挙げる。トータルブレインの久光社長も、「金利の先高感は、消費者を動かす要素になるだろう」と推察する。
好調な来場者動向を見せた新年の首都圏マンション市場。消費税増税や金利上昇気配といった要素が絡みつつ、販売状況が今後、どう推移するか、注目される。





















