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プレミアム会員限定紙上ブログ 悪徳不動産屋の独り言 180 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 対応のひどい某市の社会福祉事務所 人を人として扱うことができない

住宅新報 2012年12月11日 号 6面

連載: 不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜

賃貸・地域・鑑定

 私の家内の実家は岩手にあり、米を作っている。以前書いたことがあるが、生活保護受給者の高齢者のTさんにその新米を毎年30キロ送っているのだが、そのTさんから、今年も届いたとのことで、事務所に挨拶に寄りたいと電話があった。

義理堅い

 気心は知れているので私が、「来ないでいいよ。婆さんのしわくちゃな顔なんか見たくないし」と断ると、「たまには若い女の人の顔じゃなくても我慢しなよ」と言う。

 私が「来るな」と言うのにはワケがある。米だけ「ありがとうね」と受け取ってくれればいいのに、わずかな生活保護費を工面して商品券などを届けに来るからだ。今年も断ったが押しかけてきた。

 で、これはその際に出た話。Tさんが支給されている生活費は家賃を除いておよそ5万5000円。その中から光熱費などを出すから生活が苦しいなんてもんじゃない。それなのに、市の社会福祉事務所の担当者は「Tさん、貯金したっていいんですよ」と言ったとか。「これでどうやって貯金なぞできるものか」とTさんが怒ると、担当者は「へへっ」と笑ったと言う。馬鹿にしているとしか思えない態度である。

 しかも、今年から冬の暖房費補助として出されていた3000円も70歳以上はカットされたという。それを聞いた瞬間に「それ、逆だよね」と言ってしまった。若い人なら体力的に耐えられても、高齢者は凍えてしまうもの。Tさんと私が同時に「死ね、と言ってるようなものだよね」と口に出したのは当然であろう。

理不尽な話

 まだある。生活費は一律ではなく、バラつきがあるらしい。知り合いの男性は10万円以上も支給されているとのこと。男性は市役所の窓口で大声で職員を怒鳴りつけるんだとか。市の職員が怖がって差をつけているようだ。理不尽な話だ。

 私がTさんに「市役所に行って話をつけてきてあげようか?」と聞くと、「そんなことしないでいいよ。いろんなところに迷惑が掛かるからさあ」と辞退する。

 「私はこの歳まで人様に迷惑掛けないようにして生きてきたから、最期までそうしたいんだよ」と言う。そこまで言われたら是非にとも言えないが、いつか役に立ちたいと思っている。 (坂口有吉不動産・社長)

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