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プレミアム会員限定紙上ブログ悪徳不動産屋の独り言167 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 参考になった、コンビニ店員の手並み 細かい目配りで満足度アップ

住宅新報 2012年9月11日 号 5面

連載: 不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜

賃貸・地域・鑑定

 当社でアパートや貸家の管理をしている家主さんの奥様が今年3月に亡くなった。前兆もなく急なことで、葬儀は近親者のみで行われ、私にも連絡はこなかった。

 私が空室募集の件で家主さんに相談したいことがあって電話して初めて、ご主人から、「隠しておいても分かることなので言いますが…」と話を聞いてビックリした。

元気だったのに…

 ナンと言っても、奥様はいつも「まったく、うちの男衆ときたら、だらしなくて役に立たなくて嫌になる」と私の目の前でご主人を罵倒していたくらい威勢が良かったから、私は本音では、心臓に持病をお持ちのご主人が先に逝かれるもの、とばかり思っていた。

 で、ご主人から聞いた以上は知らん顔はしていられない。

 それでもご主人は「気にしなくていいから」と弔問を辞退する。そこを「奥様には良くしていただいたのでぜひ」とお願いして、先日伺って来たのだが、それに先立ち近所のコンビニに不祝儀袋を買いに行った。

 棚の前でしばらく悩んでいたが、「ご霊前」と書いてある袋を持ってレジに行くと、私より少し若い女性店員からこんなことを言われた。「ご霊前の袋でよろしいですか?」と。

 私が「え? ご霊前の袋なら宗派に関係なく使えるんですよね?」と聞くと、「そうなんですが、四十九日は過ぎていらっしゃいますか? もし過ぎていたら『ご佛前』の袋になりますよ。先ほどから、棚の前で悩んでいらっしゃる様子を拝見していたので気になりまして…」と言う。

これぞプロ

 実は、私は宗派と、中に入れる金額との絡みでどの袋にしたらよいか、を悩んでいただけだったのだが、店員さんは別の観点から眺めていたようだ。

 お亡くなりになったのは3月だから、当然に「ご佛前」でなければならないワケで、恥ずかしながら私はそういうことにうとかったため、店員さんが声を掛けてくれなければ、とんでもないマナー違反を犯していたことだろう。

 ただボンヤリと客がレジまで商品を持ってくるのを待つのでなく、細かく目配りをして客に助言する…、まさにプロの仕事と言える。

 私の仕事の上でも参考になるし、とても良い勉強になった。

  (坂口有吉不動産・社長)

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