環境配慮住宅「平成の京町家」 京都市 11月にモデル展示場 全6棟 伝統と現代技術を融合
住宅新報 2012年8月28日 号 11面
伝統的な町家に詰め込まれた住環境づくりの先人の智恵と省エネ・創エネなどの先端技術を融合した京都版環境配慮型住宅「平成の京町家」事業を推進する京都市は、JR京都駅近くでモデル住宅展示場を11月3日に一般オープンさせる。これに先立って8月上旬、建設中のモデル棟を公開する構造見学会を開催した。9月2日にも開催する。一方で、展示場の愛称・ロゴも公募で選定、「KYOMO(きょうも)」に決定した。
「平成の京町家」は、土間や坪庭などを組み入れ巧みな間取り配置による風通しの工夫や自然素材を活用して快適な居住環境を形にしてきた伝統的な町家のよさと、長期優良住宅仕様などの現代建築技術を組み合わせた次世代型住宅。市が学識経験者とビルダーや不動産・木材供給団体、住宅金融支援機構などと設立した「平成の京町家コンソーシアム」と連携して普及を目指している。
「KYOMO」の所在地は、下京区河原町塩小路。東西の塩小路通と南北の河原町通が交差する北西角地にあり、京都駅から徒歩約5分。市とコンソーシアム、市住宅供給公社が主催する。モデル棟用地は全6区画で、うち1区画が伝統的な京町家の意匠・構法を厳格に継承する「伝統型」棟、残りが一般構法に京町家の智恵を取り入れた普及タイプの「一般型」棟区画。伝統型を京都建築専門学校との協働で建築、一般型は地元ビルダーが建築する。うち伝統型はセンター棟としての役割も兼ねる。
8月の見学会で公開されたのは、センター棟と一般型棟計5棟で、一般型棟出展会社はステージホーム(京都市山科区、モデル棟延べ床面積124m2)、ゼロ・コーポレーション(北区、同144m2)、ディー・エー・シー(宇治市、同135m2)、リヴ(西京区、同172m2)の地元有力4社。
いずれも、京都産材を使った木造在来工法2階建て長期優良住宅仕様で、高気密・断熱性や太陽光発電などによる創エネといった先端技術を積極採用しながら、土間や坪庭空間を生かし開口部の開閉調整で屋内の風の通り道を作り出すなど自然エネルギーの活用への工夫も盛り込んでおり、まだ建築中だったが、8月の猛暑にもかかわらず各棟屋内に入ると汗が引いていくのが感じられた。
京町家の再生・再現だけにとどまらず寒冷地を除く各地でも通用する住宅モデルとなり得ることから、各社とも「京都以外での注文にも積極的に対応していきたい」としており、市も日本建築の伝統を生かした京都発・環境配慮住宅として発信、普及させたい考えだ。
























