ニュースが分かる! Q&A 不動産投資ブームの波紋 生活の質求める動き加速か
住宅新報 2012年7月17日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A

住生活にも高い質が求められている(写真と本文は関係ありません)
顧問 実需の住宅市場に、という意味かな?
記者 そうですね。
顧問 うむ、君らしい着眼だとは思うが…。不動産投資に関心を持っても、実際に投資が増えていくのかどうか。あれは、失敗も多いと聞くからね。ただ、団塊ジュニアの次の世代が団塊ジュニアほど住宅取得に熱心ではなくなる可能性はあるだろうね。
記者 若い世代ほど、年金制度に期待しにくくなっているので、生涯にわたっての資産形成を真剣に考える必要があります。長期の住宅ローンを組んで住宅を取得したら、資産形成どころではなくなるかも知れない。
と言って不動産投資はキャピタルゲインが狙えなくなっているのでインカムを頼りにするしかないわけですが、家賃は新築時がピークで後は下がるばかり。相当なリスクを覚悟しなければなりません。
顧問 相変わらず君は、考え方が暗いなぁ。それに、依然として〝フロー〟の視点が強すぎる。国土交通省の「不動産流通市場活性化フォーラム」の提言が話題になっているじゃないか。これからは、ストックをどう活用していくのか、そこにこそ新鮮な発想が求められているんだよ。
記者 どういうことでしょうか。
顧問 例えば、親から相続した住宅があれば、それで不動産投資を始めることができる。取得コストが低いから、投資として成功する確率も高い。最初の投資に成功すれば、その利益を元手に2つ目の物件に投資し、徐々に運用物件を増やしていける人も多くなってくるというわけさ。そうやってリスク分散が進み、成功する人が増えれば不動産投資市場が活性化するきっかけになるかも知れない。
記者 そういえば、こういう見方もあるようです。これから人口は減少していくけれど、昔に比べると寿命が伸びているので生活時間の総量はそれほど減らないだろうと…。
顧問 面白いじゃないか。そういうユニークな発想が大事なんだ。更に、生活時間という量的発想だけでなく、国民が生活に高い質を求めるようになる可能性だってある。
記者 クオリティ・オブ・ライフですよね。リタイア後にこそ、現役時代以上に生活の豊かさを求める人は増えると思います。そうなると、資金面からリバースモーゲージに対する需要が増え、住宅金融市場に変化が生まれるかもしれない。
田舎暮らしを楽しんでいる間は、自宅を賃貸するために定期借家を利用する人が増えれば定期借家制度自体が普及し、それが賃貸住宅市場全体の活性化を招くかもしれませんよね。リバースも定期借家も〈日本再生戦略〉に掲げられています。やはり顧問とお話をすると活路が開けます。
顧問 市場に流布される一般論や常識にとらわれず、いつも自分の頭で考えること。それが、〝記者の目〟だと教えてきたつもりなんだがね。まあ、がんばりたまえ。





















