★相続支援隊★ 相続・不動産最新レポート ~専門家から見た実務の留意点~ 第9回 相続税への税務調査(2) 「名義預金」は申告必要
住宅新報 2012年7月17日 号 6面
連載: 相続・不動産最新レポート

相続図
相続税の税務調査の主な対象は、預貯金・有価証券です。
相続税の申告書を見て、被相続人のそれまでの収入または全体の相続財産に比して預貯金の割合が少ないと、どこかに隠し預金等があるのではないかと税務署は推測します。
ポイントは、名義預金です。
名義預金とは、形式的には配偶者など親族の名前で預金していても、実質的には被相続人のもので、親族から名前を借りているに過ぎない預貯金のことを指します。以下のいずれかの基準に該当すると、その預貯金の名義にかかわらず被相続人が実質所有者であり、名義預金であると判定される可能性があります。
(1)印鑑…親族名義の預金口 座の届出印が、被相続人 が自分の預金に使用して いたものと同じ場合
(2)利息の収入…親族名義の預 貯金の利息を被相続人名義 の預金等に入金し、被相続 人が使っていたと認められ る場合
(3)維持管理…預金通帳や証書 等を被相続人がすべて保管 していた場合
(4)贈与税の申告…被相続人か ら親族への資金の移動の際 に贈与税の申告がない場合
名義預金として実質的に被相続人の相続財産と認められると、申告が必要になります。その際は、金融資産の残高確認のため残高証明書が必要となりますが、その他に、名義預金等の判定のために過去5年程度の預貯金の動きを精査する必要があります。更に保険の満期返戻金・退職金の受け取り・不動産の売却などがあった場合は、過去10年程度まで遡って確認した方がよいと思われます。
【主なチェックポイント】
・相続発生直後の入出金▽遺産として計上すべき財産はないか
・大口の預金の現金引き出し▽どのような財産に転化されたのか
・定期預金等の満期があった▽預け替えはどこに、誰の名義で行われているか
・配当金の入金▽その株式はどこの証券会社に預けてあるか、端株の存在は
・公共料金、税金等の口座振替を利用▽当然あるべき預金が申告されているか
・生命保険料等の引き落とし▽生命保険金や生命保険契約に関する権利の申告は
・貸金庫の利用料金の引き落とし▽その存在の有無は
・借入金の返済が定期的に行われている▽債務との関連は
・毎月入金されている金額▽貸付金などの回収か
これらの取引記録をチェックして大きな金額の移動があった場合は、その理由を確認します。親族間での資金移動は、特に注意が必要です。 (税理士・喜多村洋子)
























