長谷工コーポレーション・大栗社長の戦略 中計期間にストック事業確立
住宅新報 2012年5月29日 号 10面

長谷工コーポ・大栗社長
長谷工コーポレーションはこのほど、4年計画の中期経営計画を策定した。名称は「PLAN for NEXT」。中長期的な視点を踏まえた新たな取り組みを網羅している。人口減少で新たな局面に入る日本経済。その中にあって、マンション施工実績トップの同社はどのような戦略を取るのか。大栗育夫社長に聞いた。
||今期(13年3月期)をスタートとする4カ年の中期経営計画(中計)を策定しました。
「高齢化・人口減少社会の到来など、今後の日本経済の構造的な変化を考慮し、『新たなステージの基盤作り』としての4年間にしていく考えだ。建設を中心としたフロー市場と、積み上がっていくストック市場の両方に軸足を置く経営への移行を更に加速させる。最終年度(16年3月期)の連結経常利益の目標は300億円。そのうち、フローで200億円、ストックで100億円の割合にしたいと考えている。まずは、初年度の今期が重要。主要な目標数字である『建設受注高2850億円、連結経常利益200億円、純利益120億円』をしっかりと達成する」
||人口減少に伴うフロー市場の縮小が懸念されています。
「今回の中計は、首都圏のマンション供給が年間5.4万~5.8万戸であることを前提に策定した。この期間に、当社のマンション建設の主要エリアである首都圏、近畿圏、中部圏については、全体として市場が縮小することはないと考える。ただ、その先の時代については不透明。落ちることが予想されるフローの数字をストックでカバーできる体制の構築が、この4年間の課題だ」
||具体的な方策は。
「マンションストックを活用した大規模修繕、リフォーム事業の強化がまず挙げられる。改修工事に特化した『長谷工リフォーム』を2年前に立ち上げ、年間190億円前後の受注高を確保できた。今期は更に、289億円にまで引き上げる方針だ。当社では10年ほど前に、郊外エリアで500~1000戸クラスの大規模マンションを積極的に建設したが、そのマンションが修繕時期に入ることも追い風となる。そのほか、築30年以上のマンション管理組合を対象に、耐震改修や大規模修繕、もしくは建て替え提案を行う新設部署も立ち上げた」
||中古住宅の取引活性化も重要です。
「これまで長谷工アーベストが中古住宅の流通仲介部門を担当していたが、どうしても主力である新築マンションの販売に軸足が置かれていた。外に目を向けると、安定した業績を上げている流通会社は多い。当グループでもしっかりとした業績を残すために、7月には長谷工アーベストから流通仲介部門を切り離して、長谷工パートナーズで主力業務として扱う体制とする」
||増加するシニア世代への訴求をどのようにお考えでしょうか。また、海外に目を向ける不動産会社も目立っています。
「長谷工ライブネットでサービス付き高齢者住宅を提供した。また、以前からもグループ会社で介護付き有料老人ホームを展開している。場所や市場規模に応じて、両方のどちらかを展開していくことになる」
「海外事業については、この4月にベトナム・ハノイに現地駐在所を設立した。インドネシアを含め、東南アジアでどのようにビジネス展開できるかを探っていく考えだ。中計期間中に方針がまとまればと思う」





















