不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編(37) 定期借地権マンション-購入者の転売などにどう対応するか?
住宅新報 2012年4月10日 号 6面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解
Q 当社はマンションの分譲業者ですが、「借地権マンション」事業を一度も経験していません。どのようにしたらできますか。
A 借地権マンションの事業は、大きく分けて、地主と共同で行うものと事業会社単独で行うものとがありますが、後者の場合は、事業会社が地主からいったん土地を借り受けたうえで、その建設した借地権付マンションを、あらかじめ地主の承諾を得て分譲していくという方式です。いずれの場合も、地主との間においては期間50年あるいはそれに1~2年の工事期間をプラスした年数の定期借地権を設定したうえで、その持分(準共有持分)を区分建物と共に分譲していく方法が一般的だろうと思います。
Q その50年の間には地代の値上げや転売の問題なども出てきますよね。
A 当然出てきます。地代については、あらかじめ3年に1回は改定する(例えば、3年ごとに1%アップする)とか、転売については、地主の条件付で承諾する(例えば、管理会社の承認を条件に承諾する)旨を定めておくことが重要です。
Q 地代の滞納があったらどうなるのでしょうか。
A 地代の滞納があっても、定期借地権の設定契約自体は1個の契約ですから、その特定の滞納者の準共有持分だけを解除することはできないと解されます。したがって、地主としては、借主(区分所有者)が地主に差し入れている保証金の中から滞納分を差し引くことになりますが、それ以上の対応としては滞納者が所有する区分建物に執行していくことになると思います。そのためにも、保証金としてそれなりの金額(通常は、売買代金の20%前後)を預託しておいてもらう必要があります。
Q 地代と管理費は違うものなのですか。
A 違います。地代はあくまでもマンションの敷地(土地)を借りていることの対価であって、管理費はその敷地を含めたマンション全体の共用部分を管理するための対価です。しかし、いずれも同じ区分所有者から徴収するので、管理会社が管理費と一緒に徴収していくのが適当でしょう。ただ、徴収は一緒でも、徴収を委託している徴収主体が異なりますので(地代は地主、管理費は管理組合)、入金口座だけは別口座にしておく必要があります。
渡邊不動産取引法実務研究所代表 渡邊 秀男
























