オフィスビル 動き始めたBCP移転 空室改善と新需要に期待
住宅新報 2012年1月24日 号 3面
東日本大震災があった11年は、危機管理に対する企業の意識がこれまでになく高まりを見せ、特に関心が集中したのが事業継続計画(BCP)だ。オフィス賃料も08年以降下落続きで、超低水準にまで落ち込んでいる今が、BCP対策とコストダウンを一気に実現できる事務所移転のチャンスともいえる時期にある。ただ、業界関係者にヒアリングすると、期待したよりもテナント移転の動きは限定的のようだ。
大震災に加え世界的な景気減速で先行き不透明な厳しい経済環境が引き続いているためで、事業継続といえども移転にコストをかける余裕が多くの企業にないことが背景にあると見られる。そうした中でも大型移転や事務所の統合といったコストメリットが見込める大手クラスを中心に、事業継続を重視した事務所移転が静かに動き始めている。
01年に完成した東京・大手町にある大規模ビルに入る大手ハイテク企業はこの春、BCP対策として東京・半蔵門に完成したばかりの大型ビルへ3000坪規模の事務所移転を予定しているという。関係者によると、2つのビルは共に制震構造だが、移転先は制震技術が最新であること、全館バックアップ電源設備が備わっていることが決め手となり、外資にしては異例のスピード決定だったという。今年、東京・中野駅前に完成する大規模オフィスビルに5000坪規模の大型移転を検討しているとされる大手メーカーは、事務所統合によるコストダウンに加えて地盤や建物の制震構造、防災拠点となる再開発地域に立地する点を重視し、目下移転を検討中と言われる。





















