大震災を乗り越えよう 「3.11後の選択」 再起・復興を期して<22> フラガールキャラバン
住宅新報 2011年9月13日 号 9面
再び、地元復興のシンボルに
スパリゾートの営業再開
避けたい旅行先1位——福島県。9月5日、「スポーツニッポン」はこんな調査結果を報じた。しかも2位の県とほぼダブルスコアの差をつけて。予想はしていたものの、その現実に改めて打ちのめされる思いがする。
揺らぐ福島県民の心に一筋の光を与えたのが映画「フラガール」で一躍全国区となった温泉テーマパーク「スパリゾートハワイアンズ」の営業再開のニュースだ。屋内プールやホテルの一部は使えないものの、屋外スパ、温泉施設、レストラン、ホテルなどは震災前と同じように10月1日から供用される予定だ。
3.11の地震ではいわき市内のライフラインは寸断されたが、施設内のライフラインは保たれ、当時、中にいた約600人の客全員の安全を確保。水着のままの客もいたが、けが人を一人も出すことなく地震発生から2日後には、東京までバスで12時間かけて送り届けている。
その後は避難施設として原発周辺自治体からの避難者を受け入れ、いわば安心のシンボル的存在となっていた。
当初は「夏場の再開を目指していた」(広報部)が、ちょうど一カ月後に起こった震度6弱の余震でその願いは打ち砕かれる。
「直下型ということもあり、3月の地震より、4月の地震の被害のほうが大きく、10月までずれ込んでしまった」(同)という。
再開に際し、社内からは、「屋内プールなどすべての施設が復旧する来年の再開を目指すべき」との声も上がったが、「地元、湯本温泉の商店街、他の旅館からの『ハワイアンズが開かないと生活が成り立たない』という声を受けて決断した」(同)。
もとより福島の観光産業は壊滅的ダメージを受けている。放射線汚染の話題が報じられるたびにそのイメージは毀損されていった。
悪化するイメージを食い止め、つないできたのが、「フラガール」たちである。
同施設では5月の連休から、被災地から笑顔を届ける「フラガールきずなキャラバン」を実施。28人のフラガールが3班に分かれバスに乗り込み、北は青森、南は熊本まで、声がかかるところは手弁当で笑顔とダンスを届けてきた。
4カ月で全国120カ所
時に市民ホール、時に避難所、時に駅構内、空港など、公演した個所は4カ月余りで全国120以上に上った。
「行く先々で皆さんに喜んでもらった。九州や四国に避難している人の中には、『よく来てくれた』と涙を流す人もいた。元気と笑顔を届けるつもりだったが、逆に励まされた」という。
震災直後、再開の見通しが立たない頃には、長崎の「ハウステンボス」が従業員を一時研修という形で受け入れてくれた。キャラバン隊の編成にはそうした支援や思いに応える意味もあるようだ。
映画では、創業時フラダンスを見たことも聞いたこともない人のために、バスに乗り込み全国キャラバンする姿が描かれていたが、45年の時を経て、再び彼女たちが地元復興のシンボルとなった。
廃鉱の町にテーマパークという産業を生み出したあの時のように——。
(フリーライター・佐藤聡)





















