新潟移住 人口減とどう戦うか (下) 短期滞在から住む魅力へ
住宅新報 2011年11月22日 号 11面
小千谷市も移住・定住促進に力を入れている。
55歳以下のU・J・Iターン就職者が住民登録をして、民間の賃貸住宅を借りた場合には月額家賃の3分の1(上限2万円)を最大3年間補助する。また、移住のために同市内に住宅を建てた場合には、最大80万円の補助制度もある。
そうした移住者を増やすためには、まずは小千谷市の魅力を知ってもらおうと、さまざまな試みがなされている。
その一つが真人(まっとう)町の若栃集落にある農家民宿「おっこの木」である。築160年の古民家を市が買い取り、昨年6月にオープンした。
古い建物が醸し出す独特の空間と時間は、田舎暮らしを身近に体験させてくれる。地元のお母さんたちがつくってくれる手料理は山あいの里で採れた野菜や山菜が中心。
その味が忘れられず、リピーター客も増えているという。
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「おじやクラインガルテンふれあいの里」も、一時滞在や都会と田舎との二地域居住を希望する人たち向けの施設。野菜作りのための畑だけを貸す日帰り型と、畑と宿泊施設を貸す滞在型がある。
東京・練馬に住む高橋さん夫妻が滞在型施設を借りて野菜づくりを始めたのは4年前。「昨年は110日こちらに来ていた」というから、利用者の中でもかなり熱心なタイプに属する。
「自分でつくった野菜を食べるようになってから、みるみる健康になった」と話す。また、「夏休みに、孫たちにどこに行きたい?と聞くと、温泉や観光地ではなく、ここがいいと言ってくれる」ことも長続きしている理由だ。
滞在型の利用料は年間39万6000円。東京生まれ・東京育ちの高橋さん夫妻にとって「こんなに豊かな四季を楽しんだ4年間はなかった。高速道路のインターからも近いので車なら3時間半で着いてしまいます。月3万3000円の利用料は安いですよ」と大満足の様子だ。
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小千谷市内にある広勘(ひろかん)不動産の広井好和会長に、これから売り主立ち合いで室内を見ることになったという古民家を案内してもらった。場所は、前出の「おっこの木」と同じ真人町の万年集落というところ。
所有者Mさんは先祖をさかのぼると、清和源氏につながるという家柄だ。その古民家を別荘として購入したのは約20年前。
「系図をたどり、いろいろ調べていたら、この辺りの村にも祖先が住んでいたことが分かった」ことが購入の動機になったと話す。田舎暮らしのキッカケとしては、かなりユニークなケースだろう。
物件は広井氏が「40年不動産業をやってきたが、こんなに大きい家は見たことがない」と驚くほどの豪邸だ。外観は古いが12もある部屋のすべてが、今すぐ住めるぐらいきれいにリフォームされている。築100年は超えているという。
ただ、あまりに広いので個人の買い手は見つけにくい。「おっこの木」のように市が借り上げ、公共施設として利用してもらうのも一案だろう。当面は市の空き家バンクに登録する計画だ。
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2日間の短い取材旅行だったが、人口減少に悩みながらも本気で地域の活性化を願い、真剣に努力している地元の人たちの心意気に触れることができた。
また県と市、そして住民が一体になって村や町の再生を目指す姿を見て、真の行政がそこにあると感じた。
(本多 信博)





















