不動産広告 写真加工にも注意必要 首都圏公取協 相談事例
住宅新報 2011年9月13日 号 6面
不動産広告は、ネット広告の台頭、作成ソフトの進化などにより、新しい時代に入り、規制する側も新たな対応に迫られている。ここで、首都圏不動産公正取引協議会に寄せられた相談事例を一部紹介しよう。
【電柱、電線を消したCG写真】
Q 新築分譲マンションを販売するに当たり、前面道路に電柱が数本立っていて見栄えが悪いので、電柱や電線を消して、現地写真と物件のCGパースを合成した写真の下に「※現地写真に建物完成予想パースをCGにより一部修正を加えて合成したものです。実際とは多少異なります」と記載したいのですが、問題ないでしょうか?
A この質問の通りだと、物件の周囲の環境に変更を加えており、実際のものよりも著しく優良なものであると誤認されるおそれのある不当表示に該当します。表示規約施行規則11条23号「……物件の周囲の状況について表示するときは、現況に反する表示をしないこと」と規定していますので、この表示基準を順守して広告表示してください。
なお、質問のように付記したとしても、一般消費者の誤認が排除されるとは認められませんので、不当表示などの規約違反を免れることはできません。
【多棟現場の物件写真】
Q 全4棟の新築分譲住宅を、売主としてチラシに現地の写真を用いて販売していましたが、手前側の2棟は既に売却済みとなっており、残りは奥の2棟となりました。これを改めて販売するため当初の写真(4棟が写っているもの)を使用したいのですが、何か注意することはありますか?
A 当初の現地写真をそのまま掲載すると、全4棟のうち、どれが今回の販売対象なのか不明瞭であり、販売済みのものが販売対象であるかのように誤認されるおそれがあります。すると、実際には取引の対象ではない物件を表示した「おとり広告」に該当することになります。
したがって、今回の販売対象である2棟のみの写真を撮り直して用いてください。仮に当初の写真を用いるのであれば、販売済みの2棟について契約済みであることを明瞭に記載するか、販売対象の2棟についてその棟を明瞭に記載する必要があります。なお、この場合契約済みの物件は、既に売主の所有ではありませんから、写真の記載について購入者の承諾を受ける必要があるでしょう。
【いわゆる目玉物件について】
Q サブリースとしての賃貸業を行っています。最近、空室が目立ってきたので一部の空室の賃料を借り上げた賃料よりも安くして、周辺よりも安い賃料を設定した目玉物件としてインターネット不動産情報サイトに広告したいのですが、おとり広告となる心配はありませんか?
A サブリース物件の賃料設定は、物件所有者から借り上げて転貸する不動産業者が自由に決められますから、たとえ借り上げた賃料よりも安い賃料を設定し、「目玉物件」にしたとしても、実際に取引するものであれば、おとり広告には当たりません。
ただし、この物件を不当に顧客を誘引するための手段として利用し、照会があっても、正当な理由がないのに案内を拒んだり、他の物件を強く勧めたりするときは、「物件は存在するが実際には取引する意思がない物件に関する表示」に該当するおとり広告となります。
【社内資料や業者間情報図面の規約上の取扱いについて】
Q 新聞折込チラシ、雑誌、インターネット広告などが不動産広告のルールの規制対象になるのは分かりますが、社内資料、業者間情報図面なども規制の対象になりますか。
A 表示規約において、「表示とは顧客を誘引するための手段として……行う広告その他の表示をいう」(表示規約4条5号)と規定しているので、社内資料などは社内のみで、あるいは不動産業者間のみで利用される限りにおいては、この表示には当たりません。ただし、これらが一般消費者に対して提示されれば、その時点で表示に該当し、規制の対象となります。
なお、業者間情報図面の記載事項をそのまま用いるなどにより広告した場合、表示の責任は作成者でなく広告主にあるので、内容が規約に違反するものがあれば、これを修正するなど、十分注意して広告を作成してください。
























